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どこにでもある天国と地獄がウチにもあった話

こんにちは、ノブ(@chemordie)です。久しぶりの更新。緊急事態宣言からこっち、いろいろな事がありすぎて生活スタイルがすっかり変わりました。私や家族にとって良いことも、そして悪いこともあったと感じていますが、もちろん社会は私の個人的な事情などに左右されることなく新しい方向に進んでいます。この激動の時期に感じたことや考えたことを自分の振り返りのためにも少しまとめておこうかな、と。

仕事の形が変わった

私は化学者です。実験してその結果を考察し、論文を読み、新しく検討すべきことはコレだ!と提案し、その実験をして…という日々を送っていましたが、コロナ対応のテレワークの日々で最も困ったことは。

とにかく実験できない。出社できないから実験に必要な試薬も設備もない。実験できないから結果も出ない。ネットに繋がっていれば論文は読めますが、調査結果をまとめた資料づくりとそこから得られた妄想を提案して「こんなこと、できたらいいねー」という資料や会議だけが増える日々。「検討の結果、失敗した」という結果すら得られないので自分のアイデアが正しいのか間違っているのかも不明。

新規検討したい技術について業者さんに相談しても、「御社の要望に合う形を提案したいので、詳細は現場を拝見しながら」と言われる。そりゃそうだ。でも出社できない。連日悶々とする。

というわけで、今までのデータまとめや振り返りの時期としては良かったのですが、新しい事を考える時期としては苦痛の時間でした。2ヶ月も酢エチのニオイを嗅がないなんて逆に体に悪い。最初は色々と妄想が膨らんで楽しかったんですけどねぇ…。

オンラインイベントの存在感!

Twitterの外でも当たり前になってきていますが、ZoomやSkype、Microsoft teamsなどなど各種ツールを用いたオンライン会が活発に行われるようになりました。私も大小含めていくつか開催させてもらい、非常に刺激的な時間を共有させて頂きました。

また、オンライン発表会や勉強会も活発化しています。ケムステVシンポはそのクオリティの高さから多くの人に衝撃を与えました。

ネガティブな面としては、今までより飲み会のハードルが下がりすぎたかな、と。居酒屋まで出かける必要もないし、飲み会が終わったら何もしなくてもそこは自宅。自然と深夜まで延長することも多くなります。

で、翌日使い物にならずに家族から睨まれる&後悔なんてことも。夜の時間の使い方も自分の体調や都合とよく相談して計画立てようね、という当たり前のことではありますが。だって皆さん、ここぞとばかりに楽しそうなイベントやるんだもの…

新しい学習のチャンス

先ほどの内容に一部かぶりますが、オンラインで勉強する環境がますます充実&目立つようになってきました。ウチの子供達が通っている英会話教室も今回の騒ぎでレッスンを休止していましたが、Zoomでのオンラインレッスンを開始。子供達もあっという間にオンライン形式に慣れ、今では楽しく取り組んでいます。慣れってすごい。

また、オンラインでの勉強会や、ネット上で公開されている無料の講義資料の情報共有など「知の情報共有」も盛んに行われ始めたように思います。飲みながら and/or 楽しくおしゃべりしながらも、勉強する環境作ろうぜ!という周りを巻き込む行動や、この機会に新しい勉強を始めました!という宣言が目立つ期間でした。

社会は停止しても子供は成長し続ける

さて。ここまでは「良い面」ばかりを挙げていましたが、ここからは良い面も悪い面もありました、という話。

まずは我が家の家族構成から。
・子供1:6歳。4月から小学生になった。入学式の数時間だけ小学校に行き、その日の午後から登校不可に。かわいい。
・子供2:4歳。保育園児。3月中旬から登園不可。かわいい。
・子供3:乳児。本来は今年度の前半に保育園に入れることも選択肢の1つではあったが断念。かわいい。
・妻:会社員。育休取得中。家事育児をバリバリこなしつつも行政から発表された「家庭学習・家庭保育」の方針に困惑している。かわいい。
・私:会社員。出社制限によりテレワーク勤務に。外出が激減したのを良いことに面倒くさがり屋の本性を発揮し、ほとんどヒゲを剃らなくなった。かわいい。

というわけで、上記の通り「とにかくみんなが家にいる生活」がスタートしました。ただ、最初に書いたとおり、私の仕事は全然進まない。世界経済もスローダウン。何もせずにサボっててもバレない人が多いんじゃないのってぐらい。

でも子供は違います。子供たちは毎日成長するし、そのための学習や遊びは必要です。ちなみに文科省の方針は、「小学生は各教科の教科書およびそれと併用できる教材等に基づく家庭学習を課すこと」

うん…?学校で過ごした時間が3時間に満たない、「学校での勉強」をほぼ体験していない小1に、教科書や教材を使って家庭学習しろだと…?

育児と業務

ここから地獄パートが始まります。こうなると、親が隣について勉強を見るしかありません。初めのうちは私の業務時間帯は妻が子供の対応を一手に引き受けてくれていましたが、どう考えても年齢がバラバラな子供3人相手に大人1人はムリ。

小学生に勉強を教えながら、幼児が危ないイタズラをしないか、乳児がヨロヨロと立ち上がって転んだりしないか、小学生が勉強中に出した消しゴムのカスや幼児が工作で出した折り紙の切れ端を乳児が拾って食べたりしないか、それを気にしながら、小1が学ぶべき内容をきちんと理解できているか確認しなければ!

…そんな全てに配慮するのは不可能でした。

妻には多大なる負担をかける結果となり、生活の範囲を制限された子供たちもストレスがたまり、妻が子供を叱りつける声や、子供が駄々をこねる声が頻繁に聞こえてくるようになりました。

これはいかん、ということで昼間の子供1の勉強は私と妻が交代で見ることにして、夕方は私が早めに仕事を切り上げて毎日子供たちと外で遊ぶ!という暗黙のルールができ、何とか家族のストレスも軽減されてきて、めでたしめでたし。

…とはならないのですね。

今度は私の業務時間が減少します。奇しくも担当している業務が結構大きな決断をしなくてはならない段階に。仕事は進まないのに決めなきゃならない期限は迫ってくる。テレワークに慣れないせいか、ストレスのせいか、メンバーの連携はバラバラ。頼んだ仕事は全然上がってこない、次の日にはあの人の主張の内容が真逆になる、そして重要なデータを出すはずの人からの返信が途絶える…。

\( 'ω')/ウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!

ふう。

ただ、仕事も育児も抱えて私は特に大変だった!勤務先も行政も、もう少し対応を考えよ!とか言うつもりは全くありません。

この時期は皆が大変だった時期であることは間違いありません。先日、久しぶりに出社した際に、変わり果てたメンバーの様子を見て確信しました。

また、結果が出ないメンバーを評価するマネージャーもきっと頭を悩ませています。今回の件は個人の努力ではどうにもできないこと(出社停止で実験できない、等)が多すぎて真っ当に評価できるとはとても思えません。皆、それぞれの立場で苦しんでいるのです。

皆が家にいる生活で感じたこと

さて、今回のコロナ対応生活で子供たちと過ごす時間がかなり増えました。以下、良かった事と、辛かったこと。(仕事以外)

・良かったこと
子供の成長を身近で感じることができた(子供3が初めて自力で立ち上がる瞬間をとらえた!など)
子供がどんな勉強、活動、遊びに興味があるか深く知ることができた
子供の興味を伸ばす活動を始められた(筋トレ、料理、算数、鉄棒などなど)

・辛かったこと
体調が優れない時でも常に子供が家にいるため、休む暇がない
三食とも自宅で食べるため、食事メニューを決める負担が増大(特に妻)
変化のない日々かつ、ストレス条件下でずっと一緒にいると、悪い点が気になる

良かったことも、辛かったことも、この時期に味わった天国と地獄として心に残り続けることは間違いないでしょう。少なくとも私と妻の間では。誰が悪いわけではない、でも、全体的にドタバタで、楽しくて余裕のない、愛おしくて厳しい時期でした。

辛い時期を振り返って思うこと

この記事を書いている時点では子供の学校&保育園も再開し、徐々に普段の生活に近づいています。子供達は給食が始まり、昼食のメニューを考える労力も減りました。

この文章に特にオチはありません。最初に書いた通り、個人的に感じた事を書き残しておきたかっただけです。今後、ある程度制限が解除されて精神的な負担はほぼ無くなるのか、第二波が来てしまい制限下での生活に逆戻りなのかは分かりませんが、この2ヶ月間で天国も地獄も味わった皆さん。本当にお疲れ様でした。

ノブ

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