ライナーノーツ

ライナーノーツという文化

たまーにCDを買うのだけど、日本のミュージシャンのアルバムでライナーノーツを見たのはいつ以来だろうか。覚えがないなぁ。元々入れてないのかも知れないが、レンタルCDではまず見たことがない。

ライナーノーツといえば洋楽アルバム。10-20代の学生時代、文化放送のポップスベストテンから洋楽に目覚めて、エリック・クラプトンやボビー・ブラウン、Mr.BIGやROXETTE等、広く浅く貪るように聴いていた。授業が無い日は町田のレコファンやツタヤやタワレコに入り浸って、視聴したりサンプルを貰ったり。輸入盤も買ってたけど、本当に好きなミュージシャンのものは解説が読みたくて国内版を手に入れていた。バイト代も映画と音楽に殆ど注ぎ込んでいた気がする。

ライナーノーツには、そのミュージシャンをよく知る同業者や評論家による全曲解説や、デビューから現在までの足跡を辿りながら過去作との比較や検証、将来の展望予測等、1枚紙に細かい字で両面にビッシリ綴られている。ただ、冒頭でも触れたけど国内ミュージシャンでそれはあまりないのでは。

だからこそ今回、wikiも見ずに初めて触れるヒステリックパニック(ヒスパニ)のアルバム「サバイバル・ゲーム」にライナーノーツが封入されていてとても嬉しかった。老眼の始まった自分でもまだ読むことができるフォントサイズだった。

ちなみに、このCDを買ったのは、10月22日に控えている打首獄門同好会のライブ@盛岡の対バンゲストでヒスパニが来るので、その予習のためでした。まさかライナーノーツが入っているとは。

”好き”や”ファン”を増やす手法の一つに、その対象の人と成りや奥行きを知ってもらうというのがあるけど、海外ミュージシャンのCDのライナーノーツは、読んだ人を掴んで離さない魅力が詰まっていたのを覚えている。ライブまでは行かなかったけど、関連作品を漁った覚えがある。特にROXETTE。

それと同じ感覚が今回、ヒスパニのライナーノーツで自分の中に数十年ぶりに湧いたような。読んでいると、過去作をもっと聴いてみたい、ライブを観てみたい、そんな欲求に駆られる。音楽雑誌を読んでもここまでは無い。ブログでも無い。感じ方が全く異なる。

久しぶりに触れたライナーノーツが、自分の音楽ルーツを遡るきっかけにもなり、新しいバンドとの出会いに繋がる予感もあり。いいね。国内ミュージシャンのアルバムで、もっともっとライナーノーツが読みたい。ハートを掴まれる感覚を何度も味わいたい。広がってほしい。

しかし実際はどうなんだろうね。掴まれてるのは自分だけかな。ライナーノーツ文化で痺れるのはアナログ~アナデジ過渡期の40代以降ぐらいなのかね。10-20代の皆さんは、ライナーノーツって知ってますか?