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【No Angry,Free Play兵庫・神戸大会】初夏のプレ大会を終えて/Producer

■地域へのお礼

はじめに、出場チーム様、ならびに運営者『FC BASARA HYOGO』様、本大会の開催にご尽力いただき、ありがとうございます。

「全員が毎試合一定時間出場する」

10年以上、ジュニアサッカーを専門に取材するジャーナリストが感じていた日本サッカーの課題です。

幼い頃は「サッカーを始めたばかりだから」と、コーチもお母さんお父さんも温かい目で見守ります。

しかし、4年生頃から各地域で大会などを通じて試合、つまり本番が活発化すると、多くの大人が「昨日、練習でやっただろ」「何でそんなこともできない」と子どもを強い口調で責め始めます。

いつしか子どもたちは試合中なのに大人たちの顔色を伺いながらプレーするようになっていきます。

ずっと目に飛び込み続けている悲しい現実です。

小学校年代は「サッカーに出会う」期間です。始めた頃は違えど、サッカーをどんどん好きになり、年齢を重ねても長く楽しめるように基本を会得していく年代です。

そもそも小学生にレギュラーやサブは存在しません。

なぜなら全員が試合機会を得ながら、本番を通して練習で学んだことを繰り返し試して「マイペースにどんなことができるようになったか」を取り組む機会を持つことができなければ、みんな成長できないからです。

この環境は、誰が作るものでしょうか。

コーチの主観によってサッカーの上手下手をわけ、試合の出場時間に差をつけている日本のジュニアは、世界から見て以上です。

上手=出場時間が多い
下手=出場時間が少ない

この現実を続けたら、コーチの主観で決めた上手な選手はさらに上達し、コーチの主観で決めた下手な選手は永遠に上手な選手と差が開くばかり。追いかけることすら叶いません。

日本サッカーで基準とされる多くの上手下手という見方は、ボールスキル、およびフィジカル能力に偏っています。その年代の、その時期の、そのタイミングにおいてボールスキルの高い選手やフィジカル能力に長けた選手は当然のことながらボールが集まる率が高いため、その年代の、その時期の、そのタイミングにおいて『上手』という幻想的レッテルを貼られたまま、コーチに重宝され続けます。

サッカーは味方11人でプレーするチームスポーツであり、敵11人を相手にする頭脳的な心理戦です。

勝利を目指してチームで戦う以上、仲間とのコミュニケーションが必須であり、対戦チームや対戦相手をどう出し抜くかは、ボールスキルとフィジカル能力だけですべてを対処することは不可能です。

【ジュニア年代に必要な要素】
・社会性=ソーシャル
・精神性=メンタル
・身体性=フィジカル
・戦術性=タクティクス
・技術性=テクニック
※脳科学の領域はすべての要素に関係する

 ジュニサカWEB = https://jr-soccer.jp/issue202003/

これら5つは小学生年代のうちにサッカー選手として身につける上でバランスよく伸ばす要素です。

実際に、ドイツ、スペイン、ポルトガル、イングランド、ブラジル、アルゼンチンなどヨーロッパや南米のコーチに直接取材して聞いたことなので、筆者(プロデューサー=木之下潤)の主観ではありません。

この基本要素を念頭に置き、コーチが各選手に対して常にどの要素が強みで弱みかを把握し、バランスよく指導しつつも、サッカーが好きになってくれるように得意な要素をどう伸ばすかがジュニア指導において大切なものだと、さまざまなビッグクラブのコーチが語ってくれました。

岩手・奥州大会の閉会式、子どもたちにこう話しました。

「今日はたくさん素敵なプレーを見ることができました。ありがとうございました。次の秋大会には、もっと素敵なプレーを見たいと期待しています。そこで、私から『一つだけお伝えして春大会を終えたい』と思います。

サッカーはチームスポーツです。
ボールは一つしかありません。

ボールに絡む以外の選手が『チームのためのプレーを考えてどう働くか、行動するか』がもっと表現できたら、秋大会にはさらに素敵なプレーが数多く披露されると感じています。ぜひ私の後ろにいるコーチたちに『ボールに絡む以外の選手がどうプレーしたらいいのか』を教えてもらってください。

では、また秋大会にお会いしましょう」

このプレーが『ジュニア年代のうちに身につけるのに必要な要素』へと深く広がっていきます。そして、生涯スポーツへとつながっていきます。私たち大人が育むべきはサッカーの専門的なスキルではなく、仲間や相手の立場を思いやる気持ち、自分がやりたいことを正しく表現するための頭脳と心です。

■No Angry,Free Play 兵庫・神戸大会


閉会式の様子

本大会は「サッカーとの出会い」を大切にする場所です。

サッカーの喜びは試合でプレーすることですが、10歳以下の選手は試合機会が少なく、機会を得てもコーチに勝利を求められて満足のいく出場ができない子も少なくありません。

また、各年代の発育発達段階に適していない大会レギュレーションが多く、プレーに関われる選手とそうでない選手の差が激しく、試合機会を生かせていないことも多く見かけます。

そういう課題を解消し、選手の成長に寄り添った「 地域の、地域による、地域のため 」の大会として年2~4回開催できるように動いています。

【大会】No Angry,Free Play 兵庫神戸大会
【日程】6月18日(土)
【場所】Basara Village Green
【住所】神戸市西区平野町印路681-1
【対象】小学3年生が中心
【方式】5人制 2ゴール(GK含む)
【条件】全員が毎試合40%以上出場
【運営】FC BASARA HYOGO

▼参加チーム
・FC BASARA HYOGO ×2
・パラゴサッカースクール
・ヨーケンFC
・学園フットボールクラブ
・若草少年サッカークラブ
・神の谷FC
・西神中央FC
・有瀬サッカークラブ

■No Angry,Free Playとは?

本大会は「怒鳴るな! プレーをあそぼう」をコンセプトに、2022年よりスポーツ界の『暴言暴力』の撲滅を広めるためにスタートしました。

【目的】
・10歳までの選手に定期的な試合機会を作る
・1試合で1人40%以上の出場時間を確保する
・最小限コーチングorノーコンチングにより選手の心を解放する
・ゴールの喜びを味わえる大会設計に努める
・自主性を信頼し、創造性を発揮できる環境を作り、選手の可能性を広げる
・各年代に適した試合環境を設ける
・コーチも他チームと交流し、自己改革を促す
・メディアを通してジュニアサッカー情報を提供

運営を行う「FC BASARA HYOGO」

【プロデューサー】
木之下 潤

【地域パートナー】
①岩手・奥州大会
奥州ユナイテッドFC
②埼玉・熊谷大会
Fly High SOCCER SCHOOL
③神奈川・横浜大会
大豆戸FC
④兵庫・神戸大会
FC BASARA HYOGO
⑤大分・中津大会
FC ジュニオール

【カメラマン】
濱田昌寿

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