秋帰る


日は日にあたって
日は風にあたって
輝いている
鳥は日にあたって
輝いている
鳥は虫を呑み下し
体からも輝いている
秋は許容している

鳥は硝子にいざなわれて
内側に呼び込まれてゆく
鳥はもう帰らなくなった
彼の行方は誰も知らない
秋はそれも許容している

やがて空が溶けはじめる
すべてのものを
内側に
星が呼んでいるけれど
答えるものは誰もない

日は日にあたり
日は風にあたり
すべてのものが
輝きだす

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