けふ晴れ

てふがなんびゃく
過ぎてゆくけふ

鱗粉は希み、ふあん

睫毛に光りの重み
……速い涙
風に星舞う
風の中も布く宇宙

てふが過ぎゆく
重力を返す
裂けた空が近い

音撃は心砕いて
地に還る
飛び立つ
なにも
なにも
なにも
ない

てふが物言う
ひと日わたる

しゅうだんは
意志をもつ

てふは物言わない

てふがやってくる
地舐め草舐め
斑の翅は陽を
透かさない
斑の
自らが
厚く

惑いたてふ斃れる
光りほとばしり
唇づけ

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