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税金を安くできる「特定支出控除」とは

こんにちは、ラン丸(@sign45917948)です。

会社員の方は、自腹で接待交際費や資格取得費用、帰宅旅費などを負担した場合、一定の条件を満たせば、医療費控除などと同じように、給与収入から一定額を控除(特定支出控除)できる制度があることをご存じですか。

少しでも税金を安くするためにこの制度を活用しましょう。

今回は、特定支出控除について解説していきます。

特定支出控除とは

特定支出控除とは、会社員などの給与所得者が、仕事に関連する「控除の対象となる特定支出」をした場合、その支出額が「その年中の給与所得控除額×1/2」(平成28年分から)を超えるときは、確定申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる制度のことをいいます。

~給与所得者の特定支出控除について~

例えば、年収500万円の方の給与所得控除額は、154万円です。
この154万円の半分は77万円です。

仮に、特定支出が100万円あったとすると、77万円を超える23万円が特定支出控除の額となります。

この分だけ給与所得控除額に上乗せして給料から差し引くことができますので税金を軽減できます。

控除の対象となる特定支出とは

控除の対象となる特定支出は、給与所得者が支出する次に掲げる支出のうち、一定のものをいいます。

①通勤費
一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出

②転居費
転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出

③研修費
職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出

④資格取得費
職務に直接必要な資格を取得するための支出

※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。

⑤帰宅旅費
単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出

⑥次に掲げる支出
その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。平成25年分以後、特定支出の対象となります。

勤務必要経費
その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの

1)図書費
書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用

2)衣服費
制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用

3)交際費等
交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出

通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費等)と対象となる特定支出は、広範囲に認められています。

特定支出は会社の承認が必要

特定支出が認められるためには、会社が上記の支出が会社の仕事や業務と関係があると証明したものに限られます。

経理部の人が職務に直接必要と考えて税理士の専門学校に通って受講料を支払ったとしても、会社が承認しなければ特定支出になりません。

例えば、遠方から通勤している場合は、会社から支給される通勤費を超えた部分で自腹を切った部分が特定支出となります。

また、例えば、勤務必要経費については、図書費、衣服費及び交際費等の合計額が 65 万円を超える場合には、65万円が特定支出となるなどの縛りがあります。他の項目の条件も確認しておきましょう。

この特定支出控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

その際、特定支出に関する明細書及び、給与の支払者の証明書を申告書に添付するとともに、搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類を申告書に添付又は申告書を提出する際に提示する必要があります。

あらかじめ、どのような証明書が必要か確認しておきましょう。

その他、詳細については、税理士や税務署に確認してください。

なぜこのような税制が存在するのか

一般的に、サラリーマンは自営業者と違い、経費が認められないといわれています。

しかし、その議論はあたっていません。

給与所得者には大きな給与所得控除が認められているのです。

上記の表では2分の1となっているため、その倍の金額が給与所得控除にあたります。

年収400万円から800万円の給与所得者で、134万円から200万円の給与所得控除が自動的に認められています。

自営業者が経費の1つ1つに領収証を添付して申告しなければいけないのに比べてかなり有利です。

スーツなどの費用は給与所得控除で控除されています。

例えば、弁護士事務所や会計士事務所に勤めていて、資格取得のための費用や図書費が数十万円を超えてしまったというようなケースなら利用するべきだと思います。

この制度は、直接仕事に関係する経費をかなり多く使ってしまった人への、救済措置という意味合いが大きいですね。

今回は、以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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