『モモ』 - ミヒャエル・エンデ
また「一応読んでおかなければ」という義務感から。あまり面白くなかった。中断しまくりつつ5ヶ月もかかってしまった。
audibleで消化した。毎度のことながらもう少し淡々と読んでほしい。あと元々はエンデ自身による挿絵が入っているそうなのでaudible版はあまりおすすめしない。(紙かkindleで少しずつ読んでいれば自分の感想も少しは違ったのかも知れない。)
カシオペイアがジョジョ5部のあの亀に似てる、これが元ネタだったに違いない、と思った。しかしよくよく考えてみるとそれほど似てない。名前も違う。(ジョジョ5部の亀はココ・ジャンボという名前らしい。)
50年前の名作児童文学にあれこれ言うのも野暮だが「今の時代にも通用する」とか「大人でも読める」というのを期待してると微妙かも知れない。乱暴に要約すると忙しい現代社会への警鐘みたいなものがテーマなのだけど、これは既に同時代性を失っているように思えた。
かつて大いに共感した「男おいどん」「土佐の一本釣り」「博多っ子純情」等の「窮屈な近代化への反抗者」を、今見るとどれも全く共感できない自分に気づく。中世のティル・オイゲンシュピーゲルの独善や野蛮を奇異と嫌悪を持って眺める視点に近い。たった50年ほどの昔であるのに。 pic.twitter.com/xwj65wDHLj
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) September 19, 2021
時代が変化する過渡期にだけ現われる気分というものがある。人は「ある」ことには気付けない。それがなくなって初めて「あった」ことに気付くのだ。時代が完全に変わり価値観が変容し切ってしまえばその気分はもう発見できなくなる。
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