令和の時代にARIA The NATURALを観た話

こんにちは。毎日暑い日が続きますね。
と打ちこみながら、合法的にひきこもることを許されている休職中の人間は、日がな一日エアコンの効いた部屋でごろごろしているので酷暑を身をもって体験できていないな、と思いました。どんだけ暑いのかよくわかってませんが、皆さまご自愛くださいませ。

さて、たくさんの人のダイレクトマーケティングを一身に受けたことをきっかけにARIAを毎朝一話ずつ観はじめたのが先月のことでございますが、せっかく完走したら感想書かなきゃ勿体ない、ということで、1期目ことThe ANIMATIONを観た後にも記事を書いております。よろしければそちらから見ていただけると幸いです。

前述の文章には完走と感想をひっかけたマンホームの高等古典が含まれていることに皆様お気づきでしょうか。「高等古典」という言い回し非常に素敵ですね。

さてさて引き続いて観ておりましたARIA The NATURALを完走致しましたのがつい昨日のこと、記憶の新しいうちに筆を執りました。……このデジタルの時代に「筆を執る」ってのもこれ如何に、って感じですね。日本語って難しい。
前回同様、オタクの気持ち悪い長文語りが必要な作品ではないな~というのが正直なところですが、振り返って感想を書くことでわかる作品の味わいというものがあり、それはとても良いものなのでぜひ味わわせてください。対戦よろしくおねがいします。

2期全体の話

長さの話

普段全然アニメを観ないマンなので、正直観る前は26話もあんのか、なげえな、と思ってました。しかし毎日(たまにさぼってますが)ゆっくり、一話ずつ観ていくスタイルだと過ぎ去っていくのが本当にあっという間で、もう2期終わりか~もっと見てたかったな~という気持ちになっているので不思議なもんですね。
連続して視聴すると1期と2期で人物作画が若干変わったな~と思いましたが、観ているうちに気にならなくなった程度には、独特のやさしい空気感が変わらないので安心感がありました。

まだ3期も映画もOVAも原作を読む喜びも残っている、大丈夫だ、と思っているあたり、視聴前に各位が躍起になって(?)進めてきた意図がよくわかる気がします。

文化の話

2期は1期にも増して古都ヴェネツィア由来の文化に触れるシーンが多かったですね。カーニバル、ヴェネツィアンガラス、本島以外の島の存在、水上バスヴァポレット、サンマルコ広場の柱、海との結婚式の話なんかはもともと知っていたので観ていて楽しくなりました。オタク、知ってる話をされると安心するぞ。
余談ですが海との結婚式は思ったよりあっさりしたイベントであることに驚きました。わたしのヴェネツィア知識ソースことストラヴァガンザのダイマをここらで挟みますが、この作品では海との婚礼は女公主が海に太ももまで浸かるというイベントになってます。なんか今考えるとそれだいぶセクシーだな。同じ土地を舞台にしているのにこの感じられる温度感の差よ……

一方でボッコロの日とかパリーナとかレデントーレとか、知らない文化に触れられたのもよかったです。ヴェネツィアという土地の懐の広さみたいなものを感じる。まだまだ知る余地がいっぱいあるし、実際現地の空気感みたいなものはやっぱりその土地に立って自分の足で歩いてみないとわからないよな……と思うと行ってみたい欲が増していく……

とはいえこの作品はあくまで「アクアのネオ・ヴェネツィア」の話ですので、それに伴うオリジナルな文化の話も心惹かれる要素でありました。夜光鈴の話や、要所要所で出てくる食べ物の話(キノコ鍋とか、ソバのパンとか、一期のじゃがバターとか)など、わりと日本的な感じのものが自然に出てくるの独特でいいですね。公用語どうなってんだろ……いかん、野暮な話に持っていきたくなる厄介な性質が顔を出してしまった。

ネコの話

ネコがらみの話が多いのはARIAの独特の世界観……ですよねたぶん?ケット・シーは少なくともイタリアの話じゃなかった気がするぞ。
ネコにもたらされるファンタジックな要素、観てると灯里ちゃんが心配になることが多かったですが、子供心を忘れない人間に開かれる魔法の扉!みたいなのはわくわくするファンタジー脳の人間です。でもわたしのように変に現実的な人間には開かれない類の扉だろうな……

以下若干野暮な話。
アリア社長やまぁ君などがいわゆるマンホームのネコとは違う火星猫なる生物である話は知人に聞いた(あれ、アニメ中で言及されてないよな?)のですが、食生活と骨格の差からだいぶ違う生き物感が伝わってくるので、それでもアクアの中で同じネコとしてコミュニティが成立してるのは不思議な生態系だな~という感がすごい。ヒトが同じネコとしてのアイデンティティを見出す以前に、ネコ同士の通じ合いがあるんだろうか。ヒトにはわからない生き物たちの世界が垣間見えるというのは夢のある話ですね。

登場人物の話

さすがに39話も見たらひとりひとりについて語る言葉もたくさん浮かんでこよう。な。

灯里ちゃんの話

とかく2期の灯里ちゃんは命が心配になることが多かったような気がしますね。しかしそのたびケット・シーが助けてくれる……なんという安心感……!しかしそんなファンタジックな存在に安心感を見出しちゃダメな気がするぞ……と思うとやっぱり心配になる。藍華ちゃんの苦労がしのばれる。

藍華ちゃんとアルくんの話には人並みっぽい興味を示すわりに、ボッコロ回見る限り自分の恋愛云々に関する話にはものすごく鈍感というか、さっぱりしてる子ですね。なんというか、こんだけ邪気みたいなものを感じない子もなかなかおらんよなあ。それが人のみならず人外をも惹きつける魅力なんだろうな……でも僕はやっぱり心配だよ……

あとゴンドラとのお別れの回を観て思いましたが、あそこまで感受性が豊かすぎると生きるの大変じゃないですかね。思い入れが強いとはいえ物との別れであれだけ心を動かされていると、じゃあ大事な人を喪ったときとかどうなっちゃうんだ……?生きるの疲れちゃうんじゃない……?大丈夫?と現代人は思ってしまうのである。
しかしそういう彼女が素敵だなと思える世界で生きていられるARIAは素敵だ。だからこそ、そういう世界観に人々は惹かれているのだろうな、と思いながら、私はどうしても純粋な目で見きれないというか、浸りきれない自分みたいなものを若干感じていて(だからこそ野暮な部分が気になったりするわけですが)なんだかなあ……とやり切れない思いを抱いたり、抱かなかったり。素直にきれいなものを観てきれいだね、って心いっぱい思えるわたしでありたいものです。灯里ちゃんみたいになれると幸せかもしれないが、しかし現実世界はARIAの世界とは違うので、やっぱり単純に彼女みたいな感性で居られてもうまくはいかないんだろうなあ……世知辛いぜ……

藍華ちゃんの話

髪を!切ってしまうなんてとんでもない!と思っていたんですよね……観るまでは。
アマプラのサムネという名のネタバレを食らっていたのでず~っとその回を恐れながら観進めていたんですが、ま~~~~~~~~~~~髪切ってからの藍華ちゃんがかわいいこと……表情が豊かに感じるようになった気がします。あと髪型から受ける印象が大人びたからか、なんか逆に幼く見えるようになった気がする。
もともと1期の最初の時点で、藍華ちゃんの独特の髪型が印象的で目を惹かれており、合同練習してる3人の中で一番共感しやすいキャラであったことから3人の中では一番好きだな~と思っていたんですが……髪切ってからより好きになった気がする。かわいいね。

アリスちゃんの話

ミステリアス天才少女と見せかけてわりと年相応に子供っぽいところが多くみられてほっこりしました。自分ルールの回、小学生っぽくて面白かった。年相応より大人っぽい部分があると、反動的に年相応より子供っぽい部分が残ったりするんでしょうかね。
声出せるようになったり、会社のほかの人と関わり持とうとしたり、結構成長が感じられたのもなんだかほほえましいきもちになりました。しかし3人の中だとやっぱ若干印象が薄いな~という気がしてしまうな。3期以降の話だとどうなんでしょ。

アリシアさんの話

MAX包容力の人のイメージがありましたが、思ったより純真な乙女というか、灯里ちゃんに近しい感性の持ち主なんですねアリシアさん。それでもあらあらうふふ、ってとりあえず微笑むことで余裕があるように見えるのは経験の賜物なんでしょうか。過去のアリシアさんはもっといろいろ失敗とかしてたんじゃないのかな。それが誰もが憧れるパーフェクトなウンディーネになれるって、描かれてない部分で相当な努力があったんちゃうかなと思うと結構見る目が変わりますね。
感性が近しいから、ふたりっきりのアリアカンパニーで灯里ちゃんとうまくやってけるんだろうな。灯里ちゃん、競争とかが生じることが予測されるほかの会社だと伸び悩みそうというか、独特の感性をくみ取ってもらえず才能の目を潰されそう(偏見)なので、適切な環境があってこそ、彼女の日常の輝きがあるのかもしれない。ということを踏まえて灯里ちゃんがアリシアさんに抱き着くシーンなんかのことを想うと、ああ、彼女がこの環境に出会えてほんとうによかったね、ってなんだかこみあげてくるものがありますね。そしてその環境に正しく尊さを感じられている灯里ちゃんはすごいぞ……

晃さんの話

まあ1期の時点で決めてたんですが晃さんは期待を大幅に上回ってくれるかっこいい女ですね。すき。子供のころからかっこいいとかずるいですね。何なら子供のころはもっとかっこよかったまであるぞ。
でもやっぱ厳しい言葉を投げかけてくる人にはそれ相応の反発みたいなものがあるんだな~という、普段描かれている人間関係以外の部分での晃さんの様子が見られたのよかったです。

あと藍華ちゃんに対して、というか藍華ちゃんだけじゃなくほかの人に対しても、基本的に本気の時は本気で相対してくれる晃さんはすごくいい大人ですね。真剣に相手のことを考えているからこそ発することのできる言葉の重みみたいなものが時折感じられて、そういう人が身近にいるっていうのもすごく素敵なことだなって思うのです。

焼きおにぎり食べたい。

アテナさんの話

アテナさんは正直なことをいうとわりかし印象が薄いのと、感情が読めないので共感ポイントとかを挙げづらいのですが……要所要所でドジっ子としての描写きっちりされてる印象があり、ぶれねえなと思いました。かわいい人ですね。
ある意味灯里ちゃんよりちゃんとやっていけてるのか心配になるんですが、ガッツリ周りに支えられて生きているのかな……でもアリスちゃんとの回を観ると意外としっかりしてるようにも見え、謎です。
灯里ちゃんとは逆にたくさんの人がいる環境だからこそ才能を見出され、発揮することができているのかもしれないですね。オレンジぷらねっと、侮りがてえ。

男性陣の話

書き分けるほどの要素を見出せてない気がするのでまとめちゃう。
暁さん、すごく愛すべきキャラクターだなとは思いますが、ボッコロ回の灯里ちゃんへの扱いがわりと目に余るので微妙な気持ちになるですよ。しかしウッディーさんにはわりかし慕われているようなのでよかったですね……と思う。灯里ちゃんが心配になる要因の一つであるように思うぞ。もっとやさしくしてあげてよお。
ウッディーさんはいい仕事をしてますね。正直ウンディーネよりシルフのほうが楽しいと思うのだ。あと子供時代のウッディーさんが暁さんを呼ぶときの声が独特すぎてくせになる。
アル君は子供のときにベンチで湯飲みを持ってたシーンが印象的過ぎてそんな子供いるかよ!ってなったのが一番でかい。あと高等古典を披露するシーンは非常に共感性周知を誘うのですが、毎度普段の顔と印象がかけ離れたデフォルメ作画になってくれるのでかろうじて見ていられる。あのかわいい顔作画でオヤジギャグの解説をやられるとおれはしんどいぜ。
この三人が幼馴染とはいえ仲良くしているというのが信じられないと思うことがあるくらいにはキャラクターがバラバラな気がするのですが、なんだかほかの3人組と同じように不思議とバランス取れてる気がするのでキャラクター構成力の妙を感じます。あとサラマンダー・ノーム・シルフっていうそれぞれの役回りについても独特でいいな~と思う一方、もっとそのあたりの設定について知りたいぜ……アニメ観終わったら原作買おうかな……原作に書かれているのかは知らない。

アイちゃんの話

カーニバル回とかレデントーレ回とか、1期1話のころとは打って変わって子供らしい姿が印象的だったように思います。一方で毎話灯里ちゃんと交わしているメールの内容はわりと大人びているというか、灯里ちゃんが日常の積み重ねで成長していくのと同じようにアイちゃんも成長していっているんだな~ということを意識させられてよいですね。でも灯里ちゃんと会うときは羽目外しちゃうんだね……かわいいね……

アリア社長の話

1期の時からアリア社長のその装いの変化による可愛さにはやられてましたが、今期も服装が多彩でたのしかったです。うさみみかわいい。
なぜかアリア社長のコスプレには静かにテンションが上がるので、いよいよもって自分の性癖がちょっとこわくなってきた。いや別に変な意味ではないはずなんですよね……かわいい子がかわいい恰好してたら見てる側としてはいい気分になるんですよそりゃ……
あと大体何言ってるかわからないですがちょいちょい明確にしゃべってる感が伝わってくる声のトーンで笑えた。

なんだかんだ書き始めるといろいろと書くことがあるものですね。回りくどい言い回しで無駄な文字数を稼ぐ癖があり、書きながら結構修正したつもりですが、中身があるかどうかは疑問であります。いや、それでいいんだと思うんですけどね。

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