社労士のたまご:事務指定講習ってどうなの?
私の学生時代のエピソードが長くなりそうだったので、今日は社会保険労務士(以下、社労士)合格後のお話、「事務指定講習」についてお話ししようと思います。
事務指定講習とは?
社労士について興味がある方はすでにご存知かもしれませんが、実は、社労士は社労士試験に合格しただけではなれないのです。
つまり、社労士として仕事をするには「社労士試験合格」+「実務経験2年以上」が必要なのですが、この「実務経験2年以上」が結構ハードル高いんです。
私は企業の労務担当をしていますが、社会保険系の手続きも、給与計算も全て社労士事務所に委託しているので、法令で求められる実務経験に当てはまるような仕事はできていませんでした。
(ご自身の職歴が実務経験に当てはまるかどうかは、ネットで調べてみてください〜)
「合格率数パーセントの難関資格なのに、合格だけじゃダメなの…?」
私も初めて知った時はびっくりしましたが、そうなんです。
合格だけじゃダメなんです。本当に、長く険しい道のりですよね…。
じゃあ、私のような実務経験がない人はどうすればいのか?
そんな人たちのためにあるのが事務指定講習です。
事務指定講習を修了することによって、先ほどの社労士法第3条にある「厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるもの」になれるというわけです。
けして安くはない費用
晴れて試験に合格し、いよいよ社労士としての第一歩を踏み出そう!
となったら、合格証書に同封されている事務指定講習の受講案内で申し込みをします。
が、令和4年度の受講料は77,000円(税込)と高額。
すぐにでも開業したい、社労士として働きたい!という人でなければ、この受講料を払う価値がどれほどあるのか?悩まれるのではないでしょうか。
私は社労士として働いている知り合いもおらず相談もできる人もいなかったので、どうすべきか悩みましたが、夫から
「今できる最大限のことはしておくべきなんじゃないの?」
と背中を押してもらい、受講を決めました。
受験生の方で実務経験が2年以上ない方は、ぜひ、合格の先を見すえて受講料の貯金をおすすめします。
また、合格直後に受けなければならないわけではなく、次年度以降に受講することもできますから、受講の決め手に欠けるという方は、いったん受講を見送ってもいいかもしれません。
実際、受けてみてどうなの?
事務指定講習は、
通信指導
eラーニング講習または面接指導
この2つの組み合わせとなっています。
私は先日、通信指導課程を無事修了しました。
通信指導を修了した感想は、「受けておいて良かった」です。
通信指導は、課題書にある事例をもとに指示された届出書などを作成し、添削を受けるのですが、
この届出書を作成する作業を通じて、今まで試験勉強で蓄えてきた知識を実務でどう活かすかを知ることができました。
「知識を実務に変換する作業」という感じです。
また、届出書を作成するには勉強した知識をもとに、どう記入すべきかを自分の頭で考える必要がありますから、暗記だけの試験勉強では実務では役に立たないということも痛感させられました。
私は合格まで約3年かかったのですが、1年目に運よく合格せず、各種制度の仕組みまでじっくり時間をかけて理解し合格に至ったことは、実務においてはプラスになるのではないかとすら思えました。(負け惜しみみたいですけどね。笑)
もちろん、課題書の事例はあくまでも受講生にわかりやすいように作成されており、実際にはこんなに簡単にはいかないでしょう。
逆に労働保険料の計算なんかは、課題では自分で電卓をたたいてあれこれ考えながら答えを出すわけですが、実際にはExcelで計算式を作ったり、専用ソフトを使ってもっと効率的に答えを導き出すのでしょう。
でも、自分で手を動かしながら計算方法を考えて答えを出す作業こそ、「知識を実務に変換する作業」そのものであって、私のような実務経験ゼロの人には大事なのではないかと思います。
社労士に限らず、前任者から引き継いだExcelファイルや専用ソフトって、ともすれば指定された箇所に数字を打ち込むだけの単純作業になりがち。
「なぜここにこの数字を入力するのか」が置き去りになっちゃうんですよね。
そうではなく、「どうやったら答えを導き出せるか」を自分の頭で考え、落とし込む機会として、事務指定講習は有効ではないかと感じました。
色々とえらそうに書いてしまいましたが、私自身まだ事務指定講習のeラーニング課程が残っています。
またそちらも終わったら、感想を書いてみたいと思います。
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