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HSPの私が仕事を辞めるに至るまで⑤

利用者さんの周辺症状も波があるもので、2ヶ月ほどすると落ち着いてきた。(とは言っても前よりは激昂する回数が減っただけで毎日ヒヤヒヤしていたが。)
ストレスを感じながらもこの状況に慣れてきていた。

そこから数ヶ月経ち、2年目の冬。2月。
新しいスタッフ(以下Cさん)が施設に来た。他の会社の高齢者施設で働いており、今回、私が勤めている会社にフロアのリーダーとして入社したらしい。

Cさん、悪い人ではないことは分かるのだけれど、私はどうも苦手で。
少し上から目線で、自分の意見や決めたことは曲げないタイプ。
私が働いている施設は、会社で表彰されたり、他施設からも「丁寧だね、ここほどしっかり支援しているところはなかなかないよ」と言われるくらい、スタッフみんなが一丸となって支援している。

もちろん新しい意見を取り入れて変革していくことも大事だが、継続していく支援も必要なわけで。
そんな中でのCさんの意見や考え方は、「これまで行ってきた支援を取りやめ、スタッフの負担を軽くしよう」というものだった。

その一つが午前中に行っている散歩だった。
1日施設にいる利用者さんにとって散歩は気分転換を図る大切な時間。散歩を喜ばれる利用者さんも多く、また、歩くことのできる利用者さんは足腰の運動にもなる。利用者さんとコミュニケーションをゆっくり取ることができる時間でもある。

ましてや気分の浮き沈みが激しい利用者さんが多かった私のフロアでは散歩はとても大切な支援だった。

Cさんは、「散歩をやめて、スタッフの負担を軽くすればいい」と案を出した。

言っていることは分かる。残業ありきのシフト状況。どうしたってスタッフに負担がかかる。
現に、他施設では散歩を行っていないところの方が多い。
でも、散歩は大切な時間なのだ。
利用者さんはこの時間を楽しみにしてくれている。不穏な時だって散歩に行けば気分が晴れることもしばしば。

1日だけならまだしも、ずっと施設から出られない生活など私なら耐えられない。将来そんな生活は送りたくない...。

結局その案は施設のスタッフから反対の声が上がった。今まで通りの支援が続いていたけれど。
Cさんに対して思うことはそれだけではなく。
Cさんはリーダー業務が忙しいのかフロアの仕事が疎かだった。

あれもやってない...。これもやってない...。

小さなことだ。
物品を補充していない、業務をしていない。
自分がカバーすればなんの問題もない。

やり残された仕事を黙々と片付けていたが、「ちりも積もれば山となる」とはまさにこのこと。
小さなイライラが溜まりに溜まって心身に影響が出始めた。


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