2024/07/27 ザ・フューチャー・デイブレイク

土曜日

『ザ・フューチャー・デイブレイク』を……見た!!!
尺の短さから勿体無いと感じた部分は多少あれど、間違いなく素晴らしい映画だった。ガッチャードが一年間積み上げてきた良い所、ガッチャードらしさが全開。

以下ネタバレあり

デイブレイク……濃厚な男だった。本編ではたった3話しかでていないのに強烈な存在感と奥行きを感じさせる名キャラクターだった訳で、そこから予想される造形を遥かに超えたものが見れた。前半では失ってきたものの大きさ、消えない怒りと後悔を存分に描きつつ、終盤怒涛の勢いで解消させる手腕に唸る。特に「呪い」だと思い込んでいたものが実は「願い」で、それに気づかせてくれたのは他でもない自分自身。「諦めるな、一ノ瀬宝太郎!」
のセリフは予告編で見た時から凄く良いなと思ってたけど、実際感極まってしまった。20年で我々が知る宝太郎らしさが消えてしまっていたことが全て前フリとなり、彼の新たな決意、そして再起に結実する。全てのケミーと友達になるという本来持っていた夢や、どんな困難にも諦めず立ち上がる強さを取り戻し再び変身するシーンは下手したら今までのどのライダーより劇的だったかもしれない。そのあとはもう、見てるこっちまで力が入ってしまっていた。

九堂りんねという人物を中心に展開される話運びも見事。デイブレイクルートでの死亡シーンが本当に劇的で苦しい分、彼女が遺したモノの大きさに涙してしまう。死して尚強く残る願いが宝太郎の力になる展開に圧倒。「シャイニングデイブレイク」ってそういうことね!となる。りんね自身の活躍も沢山あって、ミナトを模したヘルザードと対峙した際に言い放ったセリフは滅茶苦茶かっこよかった。クールで感情を表に出さなかったりんねがあそこまで怒りを露にするの、今までの作劇の積み重ねだなと思った。

未来の宝太郎(以下、デイブレイク)に対して現代宝太郎はどうなのかというと、やっぱり俺たちの宝太郎だった。「お前に何が分かる!」という怒号に一瞬動揺するものの、やっぱり自分の意志は曲げない。今の宝太郎があるのはオロチ編で助けに来てくれたデイブレイクの影響があるからなのは間違いないが、彼はそれを受けて今度は自分が、となるのだからやっぱり強い。デイブレイクがケミーとの絆を失っていることを一目で察するシーンも良かった。そもそもこっちも宝太郎もデイブレイク以降ホッパー1マルガムの件等の苦難を乗り越えてきた訳でさ……そういうケミーや仲間、そしてなにより自分自身を信じる強さを持ち続けているというね。

結末はしんみりしながらも大きな希望がある形で、これからもデイブレイクとりんねはこの先ずっと一緒だ、という美しさが眩しかった。ラストの絵本、本当に素敵です。

以下、好きなポイント羅列
・スパナの高所からの飛び降り
・クロトーを見て一瞬で戦闘態勢に入る宝太郎
・ホッパー1を冷たくあしらうデイブレイクと
 それを見て何かを察する宝太郎
・偽物と分かっていても手が出せないクロトー
・ラキレイネスに強い怒りを見せ、渾身のキックをかます
 ファイヤーガッチャード
・スパナとカグヤの同時変身
・ケミーの力で戦う先輩ズ
・過去の惨劇を語るデイブレイクと、それを聞いた上で一歩も引かない
 宝太郎とりんね
・二人のガッチャードの同時変身、ゴルドダッシュ並走
・マジェードVSオロチマルガム
・動けないガッチャードに代わり自ら動くクロスホッパーとテンライナー
 ↑細かいけどこれ本当に良い。ガッチャードらしさとここまで積み重ねて       きた友情の結晶ともいえる。
・デイブレイクの再起、ホッパー1とスチームライナーに謝り変身。
 ↑言ってる人いたけど、ここでどことなく今の宝太郎っぽい声のトーンや         雰囲気になるのが好き。あと変身ポーズ!
・レインボーとマジェード同時変身からの三人の連携
この先のシーンは正直もう全部素晴らしいので割愛。書ききれない。

とにかく仮面ライダーの映画として理想の形で見ることができたし、この一年楽しんで、大好きになったガッチャードの一つの集大成として極まったなと思う。キャストの演技も脚本も演出も個人的には文句なし。
来週もう一回行くぞ。もちろん本編も残り一か月、最高の最終回を見届けたい。

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