銀座麺-ブログ

ひとくちすくって涙腺崩壊、激戦区銀座に彗星のごとく現れた至高の一杯「銀座 八五」に迫る

銀座といえばハイブランドなどがたくさん並んでいる高級街をイメージする人も多いが、ラーメン界隈の中で銀座は都内でも屈指の激戦区のひとつと言われるほど数多くのラーメン屋さんが存在している。

その中で約1年ちょっと前、彗星のごとく現れ、開店してからわずか数日でお店の前には長蛇の列、開店一年でミシュランガイドと食べログラーメン百名店でも紹介されるという今一番アツいラーメン屋として話題になっていた店があった。

これは麺ヘラとしてさすがに行かねばならないと重い腰と腹を上げ、仕事をいち早く切り上げ現場へと向かった。

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この店は昼の部と夜の部があり、今回は夜の部に。さすがは大人気店というところか到着したのが17時半頃だったが既に店の脇には長蛇の列。
今日は一体どれくらいの客が来るのだろうかとふと考えていると、並び始めてからわずか10分後、筆者から後ろ4人のところで「スープ切れでここまでとなります。申し訳ございません」と店員さんが張り紙をしていき残念そうに帰っていく客も10名近くいた。
開店からわずか40分で自分も10分でも残業していたら食べられなかったので、かなり敷居の高いラーメン屋だということは確信した。

それから待つこと約70分、ようやく店内に入ることが出来食券を購入、店内はわずか6席の空間で静かなクラシック、照明等とてもラーメン屋とは思えない雰囲気を放っていた。

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澄んだ透明のうすはりのグラスでお水が出てきたのにはホント感動したよね。しかも水を飲んでいると「ご希望の場合は冷たいほうじ茶をお持ちしますがいかがでしょうか?」と聞かれたので音速で「お願いします」と返答。来たほうじ茶が香りとうまみがすごすぎて再び感動。この時点でもはやラーメンが来る前にテンションは最高潮に達していた。

ラーメン着丼!!! 特製中華麺 1050円

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渋い色合いのランチョンマットに美しい大きなれんげ、そこにラーメンが収まることでまるでフルコースの料理を見ているような気持ちにさせてくれる、全体で「ひとつの空間」を作っているように感じられるビジュアルだった。

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そして着丼したときに感じる芳醇な香り、底まで見える澄んだスープにふわふわっと浮かぶ油膜、もうたまらんとスープをすくいひとくち口に運んでみると

なんだこれは

今まで少なくとも2000杯以上のラーメンを食べてきたがこんなものは知らない、食べたことがない。
あまりの衝撃にれんげから手を離してしまい音を立ててしまった(笑)店員さんが少し驚いていたが羞恥心と共に再びスープに向かう。

スープから感じられたのは今までに全く感じたことない、自分の中での「中華そば」の概念を根元から破壊していった。
まず感じたのは中華スープから放たれる洋風の味わい、鶏や鴨の滋味や旨味を遺憾無く発揮ししつつも、ドライトマトやイタヤ貝、そしてプロシュートの旨味がウワッと口の中に広がりスウッと溶けていく。そして香りの源はペッパーキャビア、洗礼されたキャビアの香りに強すぎない胡椒が味をしっかりと引き締めていく。
これだけ主張の強い食材を盛り込みながらも全く喧嘩することなく、すべての食材がひとくちのスープの中にまとまり、口の中で踊りだす。濃すぎず薄すぎず塩梅も完璧。うまい、うますぎるし少なくとも同じようなラーメンを過去に食べたことがない。あまりの感動に若干涙腺崩壊して泣きながらスープをすする変態不審者になっていたのは秘密である。

麺はかの有名な老舗製麺所「浅草開化楼」の製麺師・不死鳥カラス氏とここの店長が試行錯誤を繰り返して完成させたというもので、パツッとした食感にツルツルの喉越し、そして口の中に広がるデュラムセモリナ粉の香り、中華麺という域を超えてパスタと融合したような、そのようなストレート中細麺だった。

チャーシューの作りもこだわりによって極められている。しっかりと肉の食感を残しながら、サシの部分は口の中でフワッと溶けて旨味が溢れ出す。無論全くの臭みなし。肉の逸品料理をふんだんに楽しんだ。

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サイドメニューとして注文したライスは合鴨農法による作られた完全無農薬の魚沼産コシヒカリを魚沼の水で炊いているらしい。味の染み込みきったチャーシューを上に乗せ、一心不乱にかき込んだ。もうこのお米だけでしっかりとした一品料理になるだろうと思わせるほど、天然の甘味を含んだライスも印象的だった。


外観、内観、味、サービス。すべてにおいて最高峰で、仕事で得た疲労感などどこかに消え去っていた。
あまりの感動に時間を忘れ、長時間その場に居座っていたせいか店内には自分と店員さん以外真反対の席に一人客がいるのみになっていた。

店長さんに「ごちそうさまでした、本当においしかったです、また来ます」と言うと「ありがとう、また来てね」と笑顔、イケメン過ぎるだろマジで好きになっちゃうからやめて欲しい。

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