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ヴェイランスを初めて買う人が最初にチョイスすべきモデルを「ガチ」で選ぶとこうなる。

はじめに

ヴェイランス(veilance)を所有する者は、しばしばここを「高級なユニクロ」と自嘲的に言う(そう言う人はなぜかどこか嬉しそうな顔をしているはずだ)

実際ヴェイランスの、クリーンかつベーシック、それでいて男心をくすぐる機能性、男性が生活に必要とされるほぼ全てのシチュエーションに対応できる突出したラインナップの汎用性、そして何より、他人からはどう見てもユニクロにしか見えないところが、目立つことに臆病でありながらユニクロでは満足できない歪んだ自意識を程よく刺激するのだろう。

また、モードやラグジュアリーブランドからすると比較的良心的に見えながらもクラス感のある価格帯なども、程よくファッションに枯れてきた層にも選ばれる理由だと思われる。

アークテリクスの高級ラインとして登場してかれこれ10年以上経った今、ラインナップされるモデルは増加の一途にある。そこで、「これからヴェイランスを買い揃えていくとしたらまずどのモデルをチョイスするか」をガチで考えてみることとする。シチュエーション別に「これだ!」というモデル一点に絞りその理由を付していきたい。なお紹介するモデルは原則、筆者が購入し実際に使用したモデルとしている。画像は公式HPより。https://www.veilance.com/

ビジネスアウター編

PARTITION coat

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ゴアテックス製のステンカラーコートである。初期モデルでは収納式のフードだったのが、外付け式となり最近はそのフードすら付かなくなった(と執筆時に認識していたが実際は外付けスナップ式フードが付属する模様。訂正いたします)折角のゴアテックスならフード一体型モデルだろ常考と思うかもしれないがよく考えてほしい。雨が降るとわかっているor既に雨模様の中で、傘もささずにフードをかぶってノシノシ歩いている人間は狂人である。第一、ボトムやシューズがビジネス仕様なのだからそれらを雨から守るためにも傘は必須である。ビジネスにおいてゴアテックスに求められる特性は、防風性ただ一つ。軽くて防風性、撥水性があり、洗濯機で洗えるメンテナンス性の高さという、これまでのアウターコートの素材には無かった汎用性をゴアテックスで実現したモデルがこれなのである。ちなみに21ssより新たにLTモデルがラインナップされた。

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裏地がc-knit素材で、ごわつきがかなり軽減されているはずなので、秋冬含めてLTモデルで十分なのではなかろうか。

カジュアルアウター編

cambre jacket

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2020年デビューしたヴェイランス初のデニムモデル。横糸に中空ポリエステル使用によりデニムとしてはかなり軽量。ちなみにストレッチ性は一切ない。見た目はミニマルなワークジャケットといった面持ちで、あらゆるコーディネートにかましていける究極の汎用モデル。当然デニムなので汚れやスレも織り込み済みで着倒せる。おいおいヴェイランスでゴアテックス素材じゃないとかナメてんのかここは名作arris jacketだろバカチン、と思うかもしれないがよく考えてほしい。ゴアテックスは基本的に着心地が悪いのでカジュアルなシチュエーションでは不快感が先に立つ。また硬くゴアついた生地感は何かと子どもを抱っこしたりする場合で気を使うし、ヨダレや砂汚れ、枝や遊具へのスレや引っ掛かりのリスクなど、どうでも良いことにいちいち気が散って本末転倒である。デニムならそんな心配は一切無用。芝生で心ゆくまで彼女や子どもと転げ回れば良い。汚れたら洗濯機と乾燥機。乾燥してもほぼ縮まないのは筆者が実証済みである。

インサレーション編

mionn シリーズ

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化繊中綿コアロフト採用のソフトシェルである。フードの有り無し、丈の長短で合計4モデルが存在する。のちに述べる理由で筆者はフード無しモデルを推薦する。本家アークテリクスの名作atomシリーズのヴェイランス版と考えもらえれば良い。じゃあatom買えば良いだろうと思うかもしれないが、トヨタに対するレクサスみたいなもので、結局どこに価値を見出すかという視点に行き着くのである。mionnシリーズは中綿の嵩も控えめで単体でも、上記アウターのインナーに配置しても様になる。その汎用性を存分に活かしたいならフード無しが妥当。ちなみにこのモデルに関しては先の原則に反して所有していない。なぜならアークテリクスatomを持っているからだ。ただし、21春夏にて中綿の量を減らした襟付きモデルであるquoin LTが発売されこれは即買いした。

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執筆当時は着用して日が浅いので、使用感を確かめたらmionnからこちらにリコメンドを切り替えるかもしれない。2/28追記:上記のquoin LTを使用しているがなかなか調子が良い。カーディガン以上ブルゾン未満といったバランスで、ナイロン地の防風性(あと何気に花粉を落としやすい)があるので、日差しはあるが風は冷たい春先にニットの代わりとして使い勝手が良い。atomシリーズと同じく洗濯もネットに入れればOKの楽ちん仕様である。秋口には少し頼りないので秋冬のインナーで活用したいならmionnで春先の軽アウターとしてならquoinといった具合だろう。

ここからは、逆に最初は避けた方が良い「上級者向け」アイテムも紹介したい。

要注意アイテム群

1 ゴアテックス採用のインサレーションアウター

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現行モデルで言うと、monitor down、node down、range IS、euler ISの4シリーズである。ヴェイランスで最も目立つこれらのアウター群。当然初めて購入するのものの候補筆頭に挙げられるのも重々承知している。しかし、ダウン、コアロフトを問わず、このシリーズには初見殺しが潜んでいる。詳しくはこちらのnoteを読んでいただきたいのだが、

一言で言うとメンテナンス性が極めて悪いのである。これはゴアテックスインフィニウム製のeulerシリーズも例外ではない。

2.シェイクドライ製アウター

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椅子に座らない、荷物を背負わない、そんな都市生活者は存在しない。ランナーなら本家アークテリクスのモデルをどうぞ。

まとめ

ゴアテックスモデルが欲しいならステンカラーコート一択、というヴェイランスのブランドのアイデンティティを揺るがす結論になって恐縮だが、色々なモデルを日常使いした結果がこの所見とご理解いただきたい。幸いこのブランドは販売されたモデルは数シーズンにわたってリリースされ続ける。ヴェイランスの特性を理解した上で、より先鋭的なアイテムに手を出すのでも決して遅くはないだろう。このnoteは、何よりもまずこのアイテムが欲しいと考えてモデルを選ぶ行為を否定するものではないし、ヴェイランスはそう言う衝動を喚起するにふさわしいブランドであることも保証する。

最後に、どうしてもハイスペックモデルが欲しい。ヴェイランスが持つ技術力の結晶たるフラグシップが欲しいんや!という読者の方へ、筆者がヴェイランスでたった一つだけ所有できるとしたら一点の迷いもなく即決するモデルを紹介して終わりたい。お前がナンバーワンだ!!





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