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パキスタンの郵便システム

パキスタンの郵便システムは、国内および国外でのコミュニケーションと商取引を促進する上で重要な役割を果たしています。パキスタンポストは、国が独立を獲得した直後の 1947 年に設立され、国民の変化するニーズを満たすために進化してきました。

GPO=General Post Office 中央郵便局

パキスタンポストは、13,000 の郵便局のネットワークを通じて、国内の隅々まで郵便サービスを提供しています。また、従来の役割に加えて、貯蓄銀行、郵便生命保険、税金の徴収、電気、水道、ガス、電話料金の徴収など、連邦政府と州政府に代わって代理機能も実行しています。

パキスタンポスト

それでは亜大陸とパキスタンの郵便システムの歴史を見てみましょう。

初期の郵便システムはムガル帝国時代まで遡ります。このシステムは、ある地点から別の地点まで手紙を手渡すリレー方式で構成され、配達人は移動距離と手紙の重さに応じて報酬を受け取りました。通常はハルカラ(Harkara)と呼ばれる徒歩の配達人ですが、迅速な配達には馬の配達人でした。野生動物のいる森を通り抜け郵便を届けることは危険なものです。そのため、初期の郵便サービスは一般の人々が利用できないほど高額なものでした。

徒歩のハルカラ

ムガル帝国時代には、アグラとカブールの間で馬による配達人、砂漠ではラクダによる配達人を通じて郵便サービスが確立されるようになりました。

ラクダでの配達
ハルカラの郵便物を入れる容器

1688 年、東インド会社によって近代的なシステムが導入され、郵便物は主要都市の中継地へ運ばれ、そこで行き先ごとに仕分けられました。その後、英国人によって公式の郵便局が再設置され、郵便サービスは徐々に一般市民も利用できるようになりました。

さらなる改革により、郵便料金は郵便物の重量と距離によって決定されました。1852 年には前払い制度が導入され、郵便切手は前払いの目印として機能しました。郵便切手が導入される以前は、郵便料金は手紙の受取人が支払っていました。最初の切手には、紙に押し付けられた円形の赤い封蝋の薄片に東インド会社のマークが浮き彫りされました。その後、切手は青色で印刷されるようになりました。

カラチで発行された円形切手。EIC=East India Company。金額は 1/2 アンナ

この歴史ある郵便サービスは馬やラクダによる配達から進化をとげ、鉄道郵便、そして航空郵便が導入されるようになり、より迅速により効率的に郵便物を運ぶことができるようになりました。

初の郵便切手

パキスタンポストは英国からの独立後、1947 年に郵便電信局として機能を開始しました(1962 年に電信電話局から分離)。翌年には、パキスタン初の郵便切手となる、独立記念を祝う4枚セットの記念切手を発行しました。パキスタンポストは 1987年に郵便職員大学も設立しており、その他5つの地域研修センターもあり、職員にさまざまな分野の研修を提供しています。

郵便職員大学

近年、郵便システムの近代化に向けた取り組みが行われています。デジタルサービスの導入、小包のオンライン追跡、顧客サービスチャネルの強化は、デジタル時代に適応するという取り組みを反映しています。テクノロジー企業とのコラボレーションは、業務の合理化とサービス提供の改善を目指しています。

追跡サービス

パキスタンの郵便システムは、同国の通信インフラの重要な部分です。継続的な近代化の取り組みと顧客サービスへの取り組みにより、人々を結びつけ、商取引を促進する役割を担っています。

デジタルサービス