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現在証明されているNMNの効能

Youtubeやネット広告などで近年プッシュされている抗老化サプリNMN。若返りが期待されているなどという広告も多いが一体どこまでが事実なのか調べてみた。今回はNMNの臨床研究の状況と販売価格について述べたい。

NMNとは

正式名称はニコチンアミドモノヌクレオチド。NMNはビタミンに似た物質で、体の中で自然に生成されるが加齢に伴い体内での生産量が減る。NMNが体内から少なくなると加齢がはじまり、身体機能や認知機能の老化が進む。そこでNMNを摂取することで、身体の見た目や機能が、まるで時計の針を戻すように劇的な変化を起こすことを突き止めた研究が非臨床で次々と発表され、「若返りの薬」として世界中で注目を集めている。

LIFESPANでも紹介されるNMN

去年発売された著書LIFESPANでも抗老化治療薬としてメトホルミンとNMNが紹介されている。著者ハーバード大学のシンクレア教授も毎日NMNを摂取しているらしい。

販売価格はかなりばらついている。

以前は何十万もするものがゴロゴロ出ていたNMNだが大分価格は落ち着いてきている印象だ。Amazonレビューを一通り見る限り、効果は人によってかなりばらつきがある。「熟睡できるようになった」「食欲がわくようになった」「何も変化なし」「体調が悪くなった」などかなり個人差がある。

NMNを研究しているワシントン大学の今井教授はミライラボやオリエンタル酵母のNMNを推奨しているが、最近はFDAが認可しているもの(MAAC10)が格安で売られている。筆者としてはFDA認可のものをお勧めしたい。2020年に厚生省は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」にNMNを追加した。

現在実証されているNMNの効能

今年の4月に発表されたワシントン大学の研究結果では55~75歳の閉経後の女性25例に毎日10週間投与したところ、NMNを飲んだ女性は、筋肉の細胞で、インスリンの働きが25%上がった。今回の改善は体重70キロの人が努力して7キロ体重を落とす効果とほぼ同じらしい。

また日本でも三菱商事と東京大学が共同研究をしており、12週間のNMN経口摂取で歩行速度、30秒椅子立ち上がりテスト、握力において改善傾向が認められた。

体力の改善や臓器機能の活性化の証明はできたことになるが、若返りの証明はできていない。堀江貴文氏はNMNを3年飲み続けているらしいが、見た目が若返っているようにも見えない。抗老化サプリとしては期待していいかもしれないが、まだまだの印象だ。先日記事にした高圧酸素療法のほうが明確な結果を出している。今年も新規で臨床試験が行われており、その結果に注目したい。


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