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光量子プロセッサ

東京大学大学院工学系研究科の武田俊太郎准教授と榎本雄太郎助教らの研究チームは16日、万能を謳う「光量子プロセッサ」の開発に成功したと発表した。大規模な計算も最小回路で実行できる「究極の大規模光量子コンピュータ」への応用展開が期待される。光量子コンピュータは、ほかの量子コンピュータとは異なり、冷凍/真空装置が不要で、常温/大気中で動作すること、光を用いた量子通信との相性が良いこと、高速な計算処理が可能である。材料/医薬品の開発、最適化、人工知能などへの応用が期待されている。これにより、さらに人類の医学、科学の進化が加速し、今までにはありえないことが実現できるかもしれないというのだ。

2017年に考案

2017年9月、東京大学は、どれほど大規模な計算も最小規模の光回路で効率良く実行できる「究極の大規模光量子コンピューター」方式を考案。開発した光量子プロセッサーが、情報を乗せた1個の光パルスにさまざまな計算を複数ステップ実行できることを示し従来の回路にない汎用性と拡張性を兼ね備えた万能な動作を実現化しようというものであった。光量子プロセッサーが情報を乗せた1個の光パルスにさまざまな種類の計算を複数ステップ実行できることを目標としていた。そして2021年開発に成功したのである。

新薬開発にも恩恵

今の新薬開発、研究は昔のように目で観察し、数十年にわたって実証するスタイルではなくなった。現代は高性能コンピューターで目では絶対に判別できない事象を捕まえられるようになり、一昔ではありえなかった治療薬が次々に開発されている。例えば老化治療や認知症治療、がん治療など。現代の新薬の論文はある特定の医師だけが書くものではなく、科学者やコンピューター技術者も論文の著者として出てくるようになっている。医学×科学×ITという共演が起こっている。今後さらに高性能のコンピューターが開発されることにより、さらに新薬開発が進化することは間違いないだろう。


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