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COVID-19ワクチン接種後の免疫反応に及ぼす末梢ミトコンドリアDNAレベルの影響


iScience(アイサイエンス
オンラインで入手可能 2023年6月10日, 107094
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論文
COVID-19ワクチン接種後の免疫反応に及ぼす末梢ミトコンドリアDNAレベルの影響
著者リンク オーバーレイパネル池崎博昭医学博士a b c、野村英之医学博士c、下野信行医学博士a
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概要
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引用元
https://doi.org/10.1016/j.isci.2023.107094Get 権利と内容
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づく
オープンアクセス
ハイライト
高齢者を対象に、末梢のミトコンドリアDNAレベル(mtDNA-CN)を評価した。
mtDNA-CNは、細胞媒介性免疫反応と正の相関があった。
また、mtDNA-CNは体液性免疫と正の相関があった。
mtDNA-CNは、ワクチン効果や免疫老化の指標となる可能性がある。
まとめ
高齢者における重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対するワクチン接種の有効性は、mtDNA量の減少に起因する免疫老化によって部分的に阻害されると考えられている。本研究では、末梢白血球中のmtDNA量とSARS-CoV-2ワクチンに対する免疫反応との相関を評価した。虚弱な住民・入院患者83名と頑健な外来患者70名の計210名(年齢中央値79.5歳)を分析対象とした。抗スパイクIgG抗体(IgG(S))価は、1回目のワクチン接種前から3回目のワクチン接種後まで連続的に測定した。3回目のワクチン接種から2カ月後に、高齢者45名と高齢者22名でmtDNA量と細胞媒介免疫を測定した。頑健なグループは虚弱なグループよりも一貫して高いIgG(S)力価を有していた。mtDNAレベルは、IgG(S)力価、および細胞媒介免疫と正の相関を示した。これらの結果は、mtDNAレベルがワクチン誘発免疫に正の影響を与えることを示唆している。mtDNAレベルの維持に関するさらなる研究により、高齢者の免疫老化に関する知見が得られるかもしれない。

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略語
ALT
アラニンアミノトランスフェラーゼ
AST
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
コビド19
コロナウイルス病2019
CYB
シトクロムB
eGFR
推定糸球体濾過量
GMTs
幾何平均力価
IFN-γ
インターフェロン-γ
IgG
免疫グロブリンG
IgM
免疫グロブリンM
MAVS
ミトコンドリア抗ウイルスシグナル
mtDAMPs
ミトコンドリア損傷関連分子パターン
mtDNA
ミトコンドリアDNA
mtDNA-CN
ミトコンドリアDNAコピー数
ND1
NADHデヒドロゲナーゼ1
nDNA
核DNA
RBD
受容体結合ドメイン
SARS-CoV-2
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2
SERPINA1
セリンプロテアーゼインヒビターA1
γ-GTP
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ
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利益相反について
利益相反に関して、著者らは何も申告することはない。
リードコンタクト 池崎博昭、MD。PhD.、准教授。九州大学医学部総合内科。812-8582 福岡市東区舞鶴3-1-1 TEL: +TEL:092-642-5909 FAX:092-642-5210 E-mail:ikezaki.hiroaki.149@m.kyushu-u.ac.jp
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