アトピー性皮膚炎におけるStaphylococcus epidermidis agrタイプの違いによる黄色ブドウ球菌の異質な制御機構

原著論文|論文インプレス
アトピー性皮膚炎におけるStaphylococcus epidermidis agrタイプの違いによる黄色ブドウ球菌の異質な制御機構

https://www.jidonline.org/article/S0022-202X(23)02138-3/fulltext

周 袁
徐暁強（Xu Xiaoqiang
ヤン・リュウ
王暁凱
ウェイ・リー
シュウ・ヤオ
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Published:June 02, 2023DOI:https://doi.org/10.1016/j.jid.2023.05.014
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ABSTRACT
皮膚常在菌であるStaphylococcus epidermidisは、皮膚の炎症において保護的な役割を果たすが、アトピー性皮膚炎（AD）におけるS. epidermidisの正確な機能およびそのメカニズムは完全には解明されていない。ここでは、小児AD患者から分離されたS. epidermidis株について全ゲノム配列を決定し、機能遺伝子における株レベルでの著しい異質性を明らかにした。S. epidermidisの特異的な配列解析により、agrオペロンの遺伝子座変異に応じて4種類のアクセサリー遺伝子制御因子（agr）が同定され、これは文脈微生物叢のメタゲノム解析データと一致することが示された。S. epidermidis agr type IはAD分離株でわずかに減少し、agr type IVはAD分離株ではほとんど検出されなかった。機能実験では、S. epidermidis agr type IとIVの菌株が、type IIとIIIではなく、in vitroでS. aureus agrを介したビルレンスファクターの発現を抑制し、マウスモデルでS. aureus表皮のコロニー形成を抑制して皮膚炎症を抑制することが示された。ADにおけるS. epidermidisのゲノムシグネチャーの菌株レベルでの解明と、S. epidermidis agr type IVとS. aureus間のクオラムセンシング干渉は、皮膚微生物叢の調節とAD治療の基礎を提供するものです。

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キー ワード
アトピー性皮膚炎
皮膚マイクロバイオーム
黄色ブドウ球菌（Staphylococcus aureus
表皮ブドウ球菌（Staphylococcus epidermidis
クォーラムセンシング
アクセサリー遺伝子レギュレーター
ホールゲノムシーケンス
略号
ABR（抗生物質耐性）、ACME（アルギニン異化移動要素）、AD（アトピー性皮膚炎）、agr（アクセサリー遺伝子制御因子）、AIP（自己誘導ペプチド）、CoNS（コアグラーゼ陰性ブドウ球菌）、MLST（マルチローカス配列タイピング）、 NC (normal control), PSM (phenol-soluble modulin), SCORAD (Scoring Atopic Dermatitis), SNP (single-nucleotide polymorphism), Spl (serine protease-like protein), ST (sequence type), TSB (tryptic soy broth), WGS (whole-genome sequencing)
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記事情報
出版履歴
受理されました： 2023年5月2日
改訂版受理 2023年4月15日
受理された： 2023年2月4日
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著者らは、利益相反はないとしている。
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DOI: https://doi.org/10.1016/j.jid.2023.05.014
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© 2023 Published by Elsevier Inc.
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