細胞外小胞を介した母体ミトコンドリアDNAの垂直伝播は胚の生体エネルギーを調節する


細胞外小胞を介した母体ミトコンドリアDNAの垂直伝播は胚の生体エネルギーを調節する

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.04.21.537765v1


David Bolumar, Javier Moncayo-Arlandi, Javier Gonzalez-Fernandez, Ana Ochando, Inmaculada Moreno, Carlos Marin, Antonio Diez, Paula Fabra, Miguel Ángel Checa, Juan José Espinos, View ORCID ProfileDavid K. Gardner, Carlos Simon, Felipe Vilella
doi: https://doi.org/10.1101/2023.04.21.537765
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概要
細胞外小胞を介したDNAの伝達は、ゲノム進化や腫瘍形成に影響を与える可能性のある、新しい遺伝物質伝達メカニズムである。我々は、母体の子宮内膜のEVから着床前胚へのミトコンドリア(mt)DNAの垂直伝播の可能性を調べ、胚の生体エネルギーへの影響を記述することを目的とした。
我々は、ヒト子宮内膜が、アポトーシス小体(AB)、マイクロベシクル(MV)、エクソソーム(EXO)の3種類のEVを子宮内腔液に分泌していることを発見した。EVは月経周期中に子宮内膜液に均一に分泌され、異なるEV集団の割合は一定であるが、MVはABやEXOよりも有意に高いレベルのDNAを含んでいる。着床期には、MVは、mtDNA含量が低く、マイトファジー関連遺伝子の発現が上昇している受容子宮内膜内の由来細胞と比較して、11倍高いレベルのmtDNAを含んでいる。さらに、マウス胚の絨毛芽細胞でEV由来のmtDNAが内在化し、ミトコンドリアの呼吸とATP産生が低下することを示した。
これらのことから、妊娠前の母体の子宮内膜ではmtDNAの含有量が減少していること、mtDNAが分泌されたEVに包まれて胚が取り込むこと、EV内のmtDNAの胚への移行が着床時の生体エネルギーの調節と同時に起こることが示唆された。
利益相反声明
著者らは、競合する利害関係はないことを宣言している。
著作権について
このプレプリントの著作権者は著者・資金提供者であり、bioRxivにプレプリントの永続的な表示ライセンスを許諾しています。CC-BY 4.0国際ライセンスの下で利用可能です。
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2023年4月21日掲載
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