免疫チェックポイント阻害薬治療前の抗生物質曝露が高齢癌患者の全生存に及ぼす影響: 集団ベース研究

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2023年2月24日
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免疫チェックポイント阻害薬治療前の抗生物質曝露が高齢癌患者の全生存に及ぼす影響: 集団ベース研究

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36827626/

著者 Lawson Eng, MD, SM https://orcid.org/0000-0002-4816-8385 Lawson.eng@utoronto.ca, Rinku Sutradhar, PhD, Yue Niu, MSc, Ning Liu, PhD https://orcid.org/0000-0001-9215-475X, Ying Liu, MSc, Yosuf Kaliwal, MSc, Melanie L. Powis, MSc https://orcid.org/0000-0001-6038-0701, Geoffrey Liu, MD, MSc, Jeffrey M. Peppercorn, MD, MPH https://orcid.org/0000-0001-7138-6404, Philippe L. Bedard, MD https://orcid.org/0000-0002-6771-2999, and Monika K. Krzyzanowska, MD, MPH https://orcid.org/0000-0001-5533-7418AUTHORS INFO & AFFILIATIONS
出版物 Journal of Clinical Oncology誌
第41巻 第17号
https://doi.org/10.1200/JCO.22.00074

ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー
第41巻 第17号
2023年6月
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要旨
目的
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)治療前の抗生物質曝露は、腸内細菌叢の変化を通じて転帰に悪影響を及ぼす可能性があるが、大規模な評価は行われていない。我々は、ICI開始前の抗生物質曝露が全生存期間(OS)に及ぼす影響を評価するために、集団レベルのレトロスペクティブコホート研究を実施した。
対象患者と方法
カナダのオンタリオ州で2012年6月から2018年10月の間にICIによる治療を開始した65歳以上のがん患者を、全身療法投与データを用いて同定した。コホートを他の医療データベースと決定論的にリンクさせ、共変量およびICI治療の1年前と60日前の両方における抗生物質処方請求データを入手した。多変量Coxモデルにより、曝露とOSとの関連を評価した。
結果
ICIを受けた2,737例のがん患者のうち、ICI治療の1年前と60日前に抗生物質を投与された患者はそれぞれ59%と19%であった。OS中央値は306日であった。ICI前1年以内の抗生物質曝露はOSの悪化と関連していた(調整ハザード比[aHR]、1.12;95%CI、1.12~1.23;P = 0.03)。抗生物質クラス解析では、ICI前1年以内(aHR、1.26;95%CI、1.13~1.40;P < 0.001)または60日以内のフルオロキノロンへの曝露(aHR、1.20;95%CI、0.99~1.45;P = . 06)はOSの悪化と関連し、1年間の総被曝週数(aHR、1週当たり1.07;95%CI、1.03~1.11;P < 0.001)および60日(aHR、1週当たり1.12;95%CI、1.03~1.23;P = 0.01)に基づく用量効果が認められた。
結論
この集団レベルの研究において、ICI治療前の抗生物質、特にフルオロキノロン系抗菌薬への曝露は、高齢のがん患者におけるOSの悪化と関連することが観察された。腸内細菌叢を変化させて免疫原性を高めることを目的とした介入は、抗生物質への曝露歴のあるICIを受ける患者の転帰改善に役立つ可能性がある。

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抗生物質療法: 免疫チェックポイント阻害薬に対する異所性抵抗性の礎石
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