インスリン感受性、膵β細胞機能、耐糖能に対する飽和と不飽和の食事脂肪の影響：ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス

2023年8月8日 11:27

米国臨床栄養ジャーナル
オンラインで入手可能 2023年7月25日
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原著論文
インスリン感受性、膵β細胞機能、耐糖能に対する飽和と不飽和の食事脂肪の影響：ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002916523660629?via%3Dihub

著者リンクオーバーレイパネルを開くMaria Lytrivi 1 2, Carolina Gomes Da Silveira Cauduro 1 3, Jésabelle Kibanda 1, Paulus Kristanto 4, Marianne Paesmans 4, Miriam Cnop 1 2
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概要
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引用
https://doi.org/10.1016/j.ajcnut.2023.07.018
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要旨
背景
食事の脂肪タイプが2型糖尿病（T2D）に及ぼす影響については不明な点が多い。

目的
T2Dの代用エンドポイントとして、食事の飽和脂肪酸（SFA）を一価不飽和脂肪酸（MUFA）または多価不飽和脂肪酸（PUFA）に置き換えた場合のインスリン感受性、膵β細胞機能、耐糖能への影響を評価することを目的とした。

研究方法
SFAによる総エネルギー摂取量の5％以上をMUFAまたはPUFAに置き換え、インスリン感受性、β細胞機能、耐糖能の指標を報告したランダム化比較試験の系統的レビューとメタ解析を行った。MEDLINE、Scopus、Cochrane Library（CENTRAL）を2023年1月9日まで検索した。対象となる介入は等カロリー食であり、他の多量栄養素に有意差がないものとした。ランダム効果モデルのメタアナリシスを用いてデータを統合した。

結果
同定された6355件の記録のうち、1586人が参加した10件の並行試験と20件のクロスオーバー試験が含まれた。参加者の平均年齢は42歳、47％が男性、平均体格指数（BMI；単位kg/m2）は26.8、ベースラインの空腹時グルコース中央値は5.13mmol/L、介入期間の中央値は5週間であった。SFAをMUFAまたはPUFAに置き換えても、インスリン感受性に有意な影響はなかった［標準化平均差（SMD）SFAとMUFAとの比較：0.01、95％信頼区間（CI）：-0.06～0.09］： -0.06～0.09、I2＝0％、PUFAと比較したSMD SFA：0、95％CI：-0.15～0.14、I2＝0％］。SFAをMUFAに置き換えても、disposition indexで評価したβ細胞機能には有意な影響はなかった（平均差：-12、95％CI：-158～133、I2＝0％）。SFAをPUFAに置き換えた場合の耐糖能（SFAとMUFAまたはPUFAとの比較）およびβ細胞機能に関するエビデンスは乏しかった。

結論
飽和脂肪を不飽和脂肪に短期間置換しても、インスリン感受性やβ細胞機能に有意な影響はない（後者はMUFAと比較したSFAにおいて）。食事による脂肪飽和がグルコースホメオスタシスに及ぼす長期的な影響を解明するためには、今後の研究が必要である。本試験はCRD42020178382としてPROSPEROに登録された。

キーワード
飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸インスリン感受性インスリン分泌2型糖尿病β細胞機能食事脂肪
略語
clamp-IS空腹時高インスリン血症クランプにより算出されるインスリン感受性IVGTT静注グルコース負荷試験Kgグルコース消失定数代謝されるグルコースM/血漿インスリン濃度単位あたり代謝されるグルコースQUICK定量的インスリン感受性チェック指数T2D2型糖尿病
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