虚弱な超高齢患者における再発性クロストリジウム・ディフィシル感染症に対する糞便微生物叢移植療法


虚弱な超高齢患者における再発性クロストリジウム・ディフィシル感染症に対する糞便微生物叢移植療法

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37458581/

Massimo Montaltoほか、J Am Geriatr Soc.
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要旨
背景 高齢は再発性かつ重症のClostridioides difficile感染症(CDI)のリスク因子としてよく知られている。糞便微生物叢移植(FMT)は再発性CDI(rCDI)に対する有効かつ安全な治療選択肢として広く認知されている。しかし、超高齢患者におけるrCDIに対するFMTの有効性と安全性は不明である。本研究では、超高齢のrCDI患者群におけるFMTの有効性と安全性、および臨床転帰悪化リスクの高い患者を同定するための総合的な合併症評価と虚弱性評価の信頼性を評価した。
方法 本研究は、2014年から2022年の間にrCDIに対してFMTを受けた85歳以上の患者を含むレトロスペクティブ単一施設研究である。主要アウトカムは、8週フォローアップ時のCDIの治癒と定義したFMTの有効性と安全性評価であった。ベースライン時の合併症はCharlson Comorbidity Index(CCI)で測定した。虚弱度はCFS(Clinical Frailty Scale)で測定した。
結果 試験期間中に大腸内視鏡によるFMTを受けた患者は43例、年齢中央値は88歳であった。初回FMT成功率は77%であった。1回目のFMT注入に失敗した10例中5例は、FMTを繰り返すと治癒し、全体の有効率は88%であった。治療が成功した患者では、FMT不成功またはFMT再注入を受けた患者と比較して、CFSが有意に低かった(いずれもp<0.01)。軽度の有害事象は11例(25%)にみられた。FMTやrCDIに関連しない死亡が1例、最初の治療から7日以内に発生した。
結論 FMTは超高齢患者において有効かつ安全である。虚弱や高い合併症はこれらの患者におけるFMTの使用を制限しない。Frailty評価は、予後悪化やFMTによる再治療のリスクが高い患者をよりよく同定する可能性がある。
キーワード クロストリジオイデス、合併症、便微生物移植、虚弱、超高齢者。
© 2023 The American Geriatrics Society.
参考文献
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