永遠喪失

17の真夏。

貴方がいなくなった部屋は空っぽで跡形なく消えた。そんな薄っぺらいものだったのかな。もしも明日世界が滅んでもわたしは貴方といたい、永遠なんてないけどふたりだけの永遠を作りたかった。そんなものはどこにもなかった。やっぱり。永遠。
貴方が好きな音楽は私には響かなかったけど貴方の顔を見てると心の中まで見えたような気がした。心の奥底を。本当の貴方を知ってしまった。思えば、ありがとうや好きだよの回数よりもごめんなさいの方が多かった気がする。貴方にとってわたしは目障りだったのかもしれない。正解が分からない。この先もきっとずっとずっと分からないだって貴方はもういないから。失い続けることには慣れたつもりだったけどあなたの事は失いたくなかった。最後に一つだけお願い。一緒に死んでよ。ふたりで世界の終わりを見よう。私からの最後のお願いだよ。幸せがないなら一緒に不幸になろう。不幸もふたりなら幸せになるはずだよ。最後までわがままでごめん。全部壊したい。   なんて嘘だよ。全部嘘。虚言癖。

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