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詩│そのひと粒

アスファルトの道路に落ちていた
どんぐりを拾って雑木林に投げた

落ち葉の中にカサッと帰った

この一粒に心が寄り添って

ロマンをみる

言の葉の小舟に揺られて
何処へ行くかはわからない銀河へ

こころは変化して
一定ではない波のようだから

ゆっくりとこの小舟に
魂だけを乗せて何処までいけるだろう

言の葉もいずれ
水分を蒸発させ
花が咲く軽やかさで
風に吹かれるだろうね

陽に照らされ土の薫りをただよわせて

木の実は落ちてその影と繋がる

これから、いずれと、誰の胸の中に

どんな存在の中に落ちていくのだろう

この大樹のように 木となるのは

極わずか

どんぐりがポトッポトッと

落ちてゆく

一粒一粒影まとう

例えば

拾われてクリスマスのリースの
一粒に

あの子のままごとの一粒に

あのリスさんの一粒に

土の中に埋められ

誰のものでもなく、

誰にもみつけられなかった

一粒だけは

いずれ空へと手を伸ばす枝葉の

一本に

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