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クライヴとジョシュアは服装だけ見るとロザリア人とダルメキア人に思われる話

クライヴの服装は見る人が見ればロザリアの人だってわかるけど、ジョシュアの服装はダルメキアの人だと思われるんですよね、ある一点をちゃんと見なければ……という、衣装の意匠の考察話。

まず、アルティマニアに『少年クライヴの左肩のマークはフェニックスの復活の卵を表していて、ロザリアでは「希望」「加護」の意味を持つマークである』という旨の有り難い設定が載ってましたね。
着る側や仕立てる側の心情を想っちゃうよとアートブックを見ていると、あれ、節穴過ぎて気にしてなかったけどこのマークというか意匠……いろいろな所に! 使われている!

ちなみに鞘にもついている。卵いっぱい少年。


ごめんなさいアルティマニア読むまで気にしたことありませんでした。

それが、まずアートブックはp126、127の父上の剣の鞘と剣。 クライヴのインヴィクタスとは違う剣ですね。

剣にはクライヴの肩のマークをやや簡略化した卵に十字が。
鞘には赤い羽飾りのそばに大きく、少し面白いのがクライヴの卵そのままではなく、まるで「卵から孵化するように上へ立ち昇る」意匠が追加されて描かれている。

この剣も、受け継いだインヴィクタスのフレーバーテキストにある『ロズフィールド家に伝わる七名剣』のひとつなのだろうか。
加えて、英フレーバーテキストで『大公の家族や盾が使用』とあったインヴィクタス同様、この「加護」を大きく彫った剣はおそらく本来なら大公位が持つべきものではないのでは、とも思う。

そもそもジョシュアのようなフェニックスのドミナントたる大公が意匠でフェニックスの復活の加護を得る必要がないし。そのものだし。事実ジョシュアは幼少期も成長後もこの卵のマークは身に付けていない様子。

ちなみに傭兵人気の高いバスタードソードにも卵に十字の意匠が彫られているがただ構成要素が被っているだけで同じ意味を持つかは判断しづらい。


もう一つは、p281の種火の守り手のエンブレム


ちょうど「燃える復活の卵を両手で包んでいる」シルエットがわかりやすい。まだ若手だったウェイドでもこのマークの意味をよく知っていて、昔は武器を取るロザリア国民に浸透していたということが見てとれる。
また、このエンブレムの燃えている意匠により、父上の剣の鞘から立ち昇っていたのはやはり炎だろうと推測できる。


で、プレイしていて大変恥ずかしながら全然気にしたことがなかったけど、クライヴの腰のソードベルト。


いや思いっきり! 復活の卵だコレ!
少年クライヴのものよりも立派で、けれど旅をした若い頃の父上がつけるに相応しい大公時代の剣より燃えずにいる控えめなデザイン。

つまり、意匠を理解する学びのあった元ロザリア人なら今のクライヴを真正面から見ただけで「あ、ロザリアの人なんだな」というのがわかっちゃうってワケよ、傭兵さん。


また、父上の衣装の左腰にもソードベルトとよく似たマークがある。

クライヴの服装が元々エルウィンのものであったことを考えると、人間個人が服として身に付けるには燃えるアレンジはされないのかと「復活の卵」を基にしたマークの違いを思いますが、それはこの父上の服装があの石像らと同じ衣装であることと絡めて後日別記事にまとめようと思います。


ちなみに見ればわかるが、この卵に、それから復活したフェニックスを足したものが、ロザリアの国章になっている。

フェニックスはちょうど父上の鞘にあった意匠の炎が立ち昇る菱形の位置に掴まって翼を広げていているよう。

・フェニックスが掴まる部分からの縦のライン
・中央上部へゆるやかなU字を描く蔦
・中央下部へとまっすぐ伸びる逆V字の尾羽

さてこの我らがロザリア公国のマークの簡略化したもの、どこかでみたことないかな〜あるよな〜クライヴのイヤーカフ!
それもある。でも、もう一個ある。



その前に、ジョシュアの衣装について考えたい。

ダルメキアはタボールでお育ちになった元ロザリア公国の公世子さまの御装束は、派手な赤い布にソードベルトにはターコイズの装飾

これ、ペアルックスですか?ってくらい同構成をしたクライヴの装備品がありますよね。ダルメキア方面へマップが広がるタイミングで買えるようになる、ハンターズウェストクロスである。

このフレーバーテキストには要約すると『ダルメキアの特殊な赤土で染められた麻の腰布で、製法は狩猟民族の伝統にある』と書かれている。 さらに英テキストからはそれを行なった狩猟民族が放浪をやめて町へ移り住んだという過去が読み取れ、そのままタボールのロアに繋がる。ターコイズはこの地域の元ネタを考えれば言わずもがな。

今でも凄まじく排他的な町だと英ロアにあるのでタボールのことをどこまでダルメキアの人が知っているかは謎だけど革製品で有名なのも確かで、この伝統製法の赤布も卸してるだろうからダルメキアの人ならピンとくるはず。

つまりジョシュアはパッと見、他国の人からはダルメキアの人だと思われ、同国の人からはタボール出身だとまで気付かれる。フェニックスで親しみ深い赤だけどその実、青年期の彼の見た目はダルメキアに染まりまくっているってワケ。

じゃああのイヤーカフもしてないしジョシュアのロザリア要素はどこ?ってなる。大丈夫、パッと見なだけです。


多くの人がアートブックのジョシュア設定画を開いた時、え〜没案のポンチョスタイルも良いなとお想いになったのでは。
なんか……ウエスタンシャツのカラーチップみたいなの二個もついてる……あっ正式案では左袖の端に一つになって……


ん……?


いや! ロザリア国章じゃねーか!

フェニックスの翼がV字に重なる横の一本線に簡略化されてるけど、
・フェニックスが掴まる部分からの縦のライン 
・中央上部へゆるやかなU字を描く蔦
・中央下部へとまっすぐ伸びる逆V字の尾羽

全ての要素がちゃんと入ってる。国章だコレ。

そして持っている長剣の意匠も刀身を上としてそのままロザリア国章である。

国境でこのふたつのジッと見られたらどないするんやキミとやや心配になるまでにお強い僕ロザリアのいちばんえらいひと主張。どうしたマルガラス様。
すごい。もう卵がどうとか目じゃねえ。



ということで、ロズフィールド家の御兄弟は赤と黒のカラーリングだけではなく、それぞれにちゃんとロザリア公国の、しかもその地位にふさわしいマークを今も背負っていらっしゃるんですね、という話でした。


アートブック電子版発売、ならびにアルティマニア電子版発売決定おめでとうございます!


おわり


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