一陽来復

阪神で育成枠の選手が二人近く支配下選手に昇格する。今年育成ドラフト2位で入団の福島圭音外野手と育成6年目の川原隆投手だ。聖望高、白鵬大から入団の福島は50m5秒8の俊足が売りで2軍の具志川キャンプでスタートしたが、11、12の両日行われた紅白戦は1、2軍合同とあって2軍の福島に12日の試合の7回無死1塁で代走に起用された。

 もっとも福島、その前7番中堅で試合に出ていた。そんな福島に代走の指示を出したのは岡田監督で「俊足を実戦でみてみたい」自分ルールで1塁走者の井坪に代わってベンチから1塁に走り佐藤蓮の1球目にスタート、土に足を取られつまずいたが成功した。

 福島は11日の試合でも2度走るチャンスがあったが「行こうっての思いが強すぎて体が固まって」走れなかった。そのリベンジ。「昨日走れなかった分イメージトレーニングした。チャンスをもらったので絶対いかなと駄目だと思って走りました」。

 走れなかった前日走塁のサインを出さなかったのが悪いとコーチを叱った岡田監督「佐藤蓮はクイックが早い。あれでセーフになるのやから。最後のスライディングも良かった。小さい時から足はすごかったのやろ。それをチームとして生かさんとな。接戦の時ベンチの武器となる」。

 福島、打っても6回2死1、2塁でドラフト6位の津田から右前にヒット。11日の試合に続き2日連続。岡田監督「バッティングもええ」その上で「シートノックを見ていてもあいつ1番肩がええ」そこで出てきたのがソフトバンクの周東。「あいつ初め代走ばっかりやった。そこから内野も外野も守れる選手になってレギュラーをとった」。

 今年育成6年目の川原(長崎創成館高)は令和元年ドラフト5位入団だが腰痛で2年後育成契約、1軍登板はいまだなし。死にもの狂いで臨む6年目、昨年秋のキャンプで100球越えても切れのある球を投げているのをみていた岡田監督が12日の紅白戦4回、3番手として投げさせ、それに応え、147kmを超す直球で勝負。「右打者のひざ元を突くストレートで2つ三振をとった。アレはええボールだった」と岡田監督。「打者を想定して投げていこうと思います。投げないと覚えられない。練習するだけです」と川原。今背負う福島の背番号は126、川原は127。支配下になると2桁になる。

令和6年2月14日

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