野球塾

ソフトバンクで5年間で10勝だった大竹が昨年阪神に来てリーグ最多の12勝を挙げた理由がわかった。ソフトバンクは速い球を投げる投手が多かった。そんな事で球速ではなくコントロールが持ち味の大竹の評価は低かった。マウンドで疲労が見え始めるとコーチから「球威が落ちてきたぞ」と言われた。それが阪神では「球が浮いてきたぞ」とコントロールの乱れを指摘された。

 「速い球を投げなくていいと力みが消えて気持ちの面で楽になった」と振り返る。その大竹、ソフトバンク最後の令和5年からソフトバンクだけでなく大学(早大)の先輩でもある和田投手が塾長の和田塾に加わり自主トレを行っている。塾には大竹のほか阪神から富田、ロッテの小島、西武の隅田ら計16人の大所帯。

 自主トレの白眉は約180mの坂道を8回上がる坂道ダッシュ。大竹は「余計な事が出てくるのでそれは考えず目の前の1球を投げるみたいな意識で走った」という。大飛躍を遂げた昨年シーズン終了後和田から電話がかかり「やっとスタートライン、これから続けていく事が大事だ」といわれた。身に染みる先輩の言葉に「これまで2年、3年と続かない選手を見てきました。和田さんにも言われましたけど僕はあれが精いっぱいじゃないと思います。もっともっと突き進んで頑張りたい」。

 昨年の12勝は満足だったが一つ悔いは勝ち投手になれば12球団から勝利だった6月17日の古巣との1戦。7回に逆転されチャンスを逃がした。今年ソフトバンクと交流戦は6月14日から3試合ソフトバンクの本拠地ペイペイドームで行われる。

 「ペイペイなので投げたい気持ちはあります。監督は結構気にして登板決定をされるので当ててくれるんじゃないか。投げあえたら最高ですよね」その和田、FA移籍山川の代替選手に名前がでて、変更になって今季もホークスだが、経緯の不明は面白くないに違いないが、「応援してくれるファンのためにも一生懸命全力で投げるだけ」と言っている。小久保監督の「開幕にあわせてくれ」にも「そこを目指したい」。

 大竹が心酔する先輩は人間も出来ている。

令和6年1月17日

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