木浪と小幡

阪神が森下の3ランで巨人戦1勝を挙げた31日の試合、9回、小幡の右翼本塁打で1点を入れ勝利を決定づけた。小幡は8回1死後代打で出場、右前安打した小野寺の代走で1塁走者になり、近本の左翼線安打で2進、森下の左中間本塁打で本塁に帰った。

 阪神は9回無死ノイジーが左翼線2塁打、犠打で2進、代打糸原の2ゴロでノイジーホームイン、4-0となった後8回代走で出場ホームイン、その裏から木浪に代わり遊撃に入っていた小幡に打席が回ってきた。巨人4人目松井の1球目、低目の直球をすくい上げて打った打球、高く上がり右翼席にぎりぎりに入った。最初の判定はスタンド前部の金具に当たり跳ねかえったとみられ2塁打だったがビデオ判定で本塁打にかわった。2塁ベース上で「ホームランになってくれ」と願っていた小幡は勇躍ホームに帰り、そんな小幡を木浪が迎えた。

 木浪は昨年遊撃レギュラーで127試合に出場、打率2割6分7厘。「恐怖の8番打者」といわれベスト9にも選ばれたが今年は出足不振で前日まで5打数ヒット無し。この試合も2回の右飛、5回四球、8回の3打席目は代打原口に代えられた。

 もっとも昨年の開幕時は遊撃の控えで小幡が先発メンバーだった。ところが小幡、開幕のDeNA戦に3安打したが以後もう一つで出場7試合目に代打を送られ翌日から木浪遊撃、9日のヤクルト戦で3安打、11日の巨人戦で2安打。これをきっかけに遊撃の正位置についた。

 「打った感覚はなかったのですけどいい角度で行ってくれたのでびっくりしています」と本塁打を語る小幡もそのことは忘れていない。こんな小幡の頭をベンチ前でなぜた木浪は負けず嫌いだ。2日京セラでのDeNA戦、ベンチは誰を先発遊撃に入れるか。今年も競争だ。

令和6年4月2日

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