塞翁が馬

人間いつか良い事がくる。高校時代藤浪は大阪桐蔭高、その時花巻東のエースで対決した大谷が巡り巡ってこのほど大リーグ史上最高の10年1,015億円で契約、ドジャースに移籍した。

 大谷の後を追ったわけではないが藤浪も昨年、阪神を退団、大リーグアスレチックスに移った。球は速いが狙ったところに行かないと阪神入団5、6年から言われてた欠点はここでもしつこく付きまとったが、捨てる神あれば拾う神ありか、この年の7月19日、アスレチックスの監督に「フジ、監督室に来てくれ。トレーナーと通訳も一緒に」と言われた。

 「オリオールズが欲しいといっている。今首位にいる。やりがいのあるチームだ」トレードの通告で監督が愛飲している高級ウイスキー乾杯で送り出され翌日オリオールズに行ったらユニホーム、スパイク一切が準備されていた。それを着てベンチに入った。初日はそれだけで終わりと思っていたが、試合途中声がかかりマウンドに上がり1球目を本塁打された。

 以上の話を藤浪が明かしたのは先日MBSテレビの特番に出た時で失敗談をこんな調子ではなせるようになったところは以前とは違った。変えたのはアスレチックスでの経験だ。ストライクが入らないリリーフをメディアは容赦なく「史上最悪のトレード」と糾弾した。

 これに対しある時から「自分の人生に関係のない人が言っているのだ。気にしたって何の得にならん。自分の思い通りにやろう」と考えを変えた。そう思うようになったからといって制球が良くなったわけではない。オリオールズに移っても同じだが球が速いという良い面が目立つようになった。

 オリオールズでは5勝(8敗)したが防御率は8.57だった。それでも監督には球が速いのが評価され、制球については言及は無かった。こういう状況下、シーズン終了後そのオリオールズをFAした。来季の行き先はまだ決まってないが6、7球団から引き合いがあるという事で「そのうちに決まるでしょう」と話している。

 そこに現状に満足の藤浪がいた。その点では大谷と一緒だ。

令和5年12月12日

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