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名古屋の7組の建築家がデザインしたSEVEN STORIES内覧会

4/14にSEVEN STORIES内覧会が開催されました。お誘いいただいたので見学に行ってきました。名古屋駅からほど近い場所に7組の建築家が7室をデザインするというプロジェクトです。

到着するとたくさんの花が出迎えてくれました。ホテルではなく民泊とのことで、レストランやラウンジのような場所はなく、EVでそのまま8Fに上がりました。

1日だけの宿泊でなく、長期の滞在もできるなどいろんなケースが想定されているとのことです。同じ大きさの部屋ですが、7組それぞれの個性が出ていて泊まるシチュエーションによって選べるのは良いなと感じました。

ここ2~3年の実体験として一人や、夫婦ふたりで泊まる場合、1人での出張の場合はベッドのサイズや形はおおよそ対応できるのですが、子どもがうまれてからはかなり気にしています。もっとも避けるのがセミダブルです。

ベッドサイズが書いていない場合もありますが、だいたい1300mm程度だったりで大人2人でもそもそも狭く、その間に子どもをはさみこむので、相当狭いです。そして子どもはまっすぐ寝ずにだいたい直行したり斜めになったり、ごろごろ動くので、大人は自転すらままならないサイズです。

そしてツインもなかなか大変です。大人1人は普通に寝られるのですが、もう1人は約1mの中で子どもと二人で寝ることになります。ベッドの一方が壁についていたら可能性はあるのですが、そうではない場合は子どもが落ちるのでなかなか難しいです。それはホテルのHP写真では判断しにくく、(写真ではそうなっていても実際違うこともある)電話して確認することになるので、煩わしいのが正直なところです。

ツインでもシングルベッドがふたつがくっついている場合、あるいは動かせてくっつけられる場合は嬉しいです。ハリウッドツインとも呼ばれるタイプですが、約2mの中で子どもを挟み込んで寝られるので安心です。

他にはクイーンサイズで約1.6m程度もありますが、実際は狭く、全然クイーンな感じではなく、キングサイズで2mを超えるとようやくストレスなく寝れます。あとはベッドではなく畳のほうが落ちる心配もなく、寝られるのですが、ホテルで畳の部屋はあまりなくあってもスィートルームのような場所だったりとあまり見つけにくく検索でもかなり少ないのが実情です。

ベッドの話が長くなりましたが、泊まる方にとっては重要な要素で最近ではほとんどそこで選択肢を絞らざる得ないです。どれだけ空間が魅力的だったとしても安心して、快適に寝られるかは大事だなといろんなホテルを泊まって感じています。そんなこともあり、今回の設計者の方が「1人〜2人か多数か、どのようなメンバーで泊まるか、何日くらい泊まるか」などをどこに合わせて想定しているのかにそれぞれ違いがでているのかと言う視点でも見ていました。

見学後に最大5人まで泊まれると分かったのですが、部屋によってはどうやって5人で泊まるのかイメージできない部屋もありました。僕のイメージが及んでないだけかもしれません。

一部屋ずつ感想を書いていきます。(設計者本人がとお話できた部屋は意図がおおよそ理解できているはずですが、不在だった部屋は想像しているだけなので勘違いしていたらすみません。)

8階 ambientdesigns(石黒泰司)

まず床が浮いていることが目に入ってきます。他の部屋でも断面的に空間をつくっているところもありましたが、それは段差をつくっていて、家具的に椅子やベッドという扱いだったように思います。
ここではベッド?が浮いていて、布団を下部に敷けば上部でくつろぐこともできそうで、寝る場所とくつろぐ場所が選択できることが滞在する上での楽しさや豊かさにつながると感じました。布団を敷かなければこの床の持つ意味もより広がりそうです。数日いる場合や、数人で泊まる場合には日毎に場所を変えることもでき、空間の断面の操作が意欲的でした。子連れの場合は下で寝れば問題なさそう。

7F zelt(柴山修平)

最もくつろげそうだなと感じた部屋です。ゆったりとした寸法で心地よく過ごせそうです。どのあたりが愛知らしさなのかは空間からは読み取れませんでしたが、長く滞在するという意味では良さそうな空間でした。

6F matomato(松田孝平+走川礼奈)

喫茶店のような空間。梁の扱い、高さの設定で操作されている印象でした。それは断面的というよりかは展開的な操作。やはり気になったのは5人でどのようにして、寝るのかは僕のイメージが追いつかなかったのですが、5人で楽しむという意味では会話も弾みそうな距離が取られていて、イメージは膨らみました。

5F 1-1 architects/イチノイチアーキテクツ(神谷勇机+石川翔一)

意識せず撮りましたが、先程の6Fとほぼ同アングル。部屋の構成が近いのかもしれません。空間のつくりかた、マテリアル、場所の捉え方など目指すところは全く違いました。アルミ箔の天井の写り込みで天井の高さをより感じ、さらに壁面は建具的なあり方のため奥にも部屋や外がありそうに感じ、横方向にも縦方向にも奥行きのある提案でした。建築的な空間で1-1さんらしいなと感じました。

4F NIIMORI JAMISON(新森雄大+ジェームス・ジャミソン)

パースや写真では理解しにくいスケールの空間でした。非日常的な空間で、体験としてはもっとも記憶に残りました。1泊だけするならここに泊まりたいとおもいましたが、1週間と長期間での過ごし方がイメージが少ししづらかったです。
ただ、訪れた際にはカーテンが閉まっていたので、開け放てばそんな払拭されるのかもしれません。いずれにせよ得体の知れない空間に出会えて、楽しかったです。

3階 rhyme design(篠元貴之)

入ってすぐにカーテンがレイヤー状に重なっていることがうかがえます。渋い赤。ムーディな空間デザイン、キッチンにはワイングラスがあり、ワインの香りが漂ってきそうな雰囲気。訪れたのは昼間でしたが、夜に来るとより一層艶やかさは増しそう。
寝室とキッチンやその他としての関係としては平面的な広がりを意識された空間でした。色の切り替えも相まって、平面の捉え方に新しいを感じました。

2階 水野太史建築設計事務所+水野製陶園ラボ(水野太史)

水野さんのタイルが床に張り巡らせれているのが1番に目に入ってきます。他の部分にはストイックさを、感じクールな印象でした。エクストラベッドになりそうな、家具が置かれていて、数人での宿泊も想定しているのか?とようやく勘付き始めましたが、すでに最後の部屋でした。ベッドの置き方で様々な展開を想定されているようにも思い、ニュートラルさの中にある可能性を秘めているように感じました。

時間の扱い、最適な人数などの選択肢としても幅広く、いろんなニーズに応えられそうな宿泊施設でした。名古屋に出張、旅行の際に空間を楽しみたい方にはオススメホテルです。


※設計者のみなさま
勝手な勘違いもたくさんあると思いますので、誤りや補足等があればご指摘ください。

公式HP
https://7stories.jp/


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