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「将太の寿司」を久しぶりに読んで感じた、時代の移り変わり

将太の寿司の単行本1巻から7巻までを読んでみて、時代は変わったのだなぁとしみじみ。

将太のすしの概要

東京世田谷区にある名店・鳳寿司で働く少年・関口将太が、創意工夫を凝らした寿司によってトーナメント方式の『寿司職人コンクール』を勝ち進み、日本一の寿司職人となることを目標に奮闘する物語である

将太の寿司に感じる昭和感① 職人は見て盗めの世界観

寿司職人として、寿司を握るために、洗い場と給仕、炊飯、しゃりの仕込み等などの作業を数年やる必要があり、炊飯のやり方やしゃりの仕込みは兄弟子たちから直接教えてもらえません。これぞ、昭和の世界です。
また、しゃりの作り方も教えてもらえず、しゃりを握って親方や兄弟子に食べてもらっても、どこがダメか教えてもらえません。これも、昭和の世界です。

将太の寿司に感じる昭和感② 金持ち、ケンカしすぎ

将太くんの地元である小樽に笹寿司というお店があり、そこの跡取り息子が将太くんと同級生なのですが、将太くんの実家である寿司屋に対する嫌がらせが度を越しているのですね。将太くんの実家には一切、魚を入れないように手を回したり、将太くんのお父さんが海に出ているところを船を転覆させたり。この時代だとまだお金持ちが貧乏人にあえて喧嘩を仕掛けるっていう物語が有効だったのですね。最近のお金持ちって、貧乏人は完全に無視というところですが、少年漫画だとあえてお金持ち/貧乏っていう設定は見せなくなってきてますね。

将太の寿司に感じる昭和感③ ハードワークは勝利をもたらす!

寿司職人コンクールに出場すると、次から次へと難題が出場者には与えられます。これに対する将太くんは仕事時間以外のほとんどすべてを使って、コンクールへの準備をします。課題となる魚がよく取れる漁港までいったり、場合によってはしけた海に船を出したり。そして、この身を削る行動は必ず結果につながります。この価値観って、平成を通じてなくなりましたよね。いや、どんなに頑張っても、成功できないものはできないってという風に。

将太の寿司に感じる昭和感④ 天然もの至上主義

寿司職人としての実力を測る要素の1つに、天然物と養殖物をいかに見分けるかというところが所々に出てきます。天然物と養殖物って、それほど違いあるかといわれると、どうなんでしょうね。ただ、技術の進歩という面では、最近の料理・グルメ漫画だと養殖だから味が劣るみたいな話って見たことがないように思います。

ちょうど90年のはじめくらいから、半ばにかけてが舞台の漫画なのですが、30年たった今だと、意外にも時代が変わった印象を強く受けました。最近の寿司職人も、将太の寿司のような世界なのでしょうか。

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