週刊少年ジャンプ2022年39号

※以下の記事にはwj39号の感想・ネタバレが含まれます。

まずは読者アンケートから・・・

1位 僕のヒーローアカデミア
2位 あかね噺
3位 アンデッドアンラック

以下、本誌連載順に評価・感想を掲載しています。(1-から5+までの15段階評価)

アンデッドアンラック No.124 アンディ 評価5−
今週の巻頭カラー。「そもそもアンディの方が別人格だった」という叙述トリックにも似たオチはシンプルながら作劇が上手いなと。生の苦しみも喜びもひっくるめて「不死のアンディ」と自己を規定すること、そして不死の原因となったジュイスへの感謝は人間讃歌に満ちている。

ワンピース 第1058話“新皇帝”  評価4+
新情報開示回。①麦わら海賊団の新懸賞金②クロスギルドの結成経緯と内実③革命軍の動向と情報がぎっしり詰まっている。①に関して。ワンピの懸賞金システムは識者から度々指摘されている通り、バトル漫画界における一大革命である。懸賞金システム最大の特徴は、登場キャラクターを戦闘能力ではなく、世界に対する脅威度に応じて格付けしている点にある。このシステムによってもたらされる最大の恩恵は、「数値的なパワーインフレの抑制」である。数値的なインフレが抑えられると何が嬉しいのか。作品の序中盤で登場した魅力的なキャラクター達を“かませ”以外の形で無理なく再登場させることが可能になる。序盤も序盤、アラバスタ編でルフィに敗れたサー・クロコダイルが新四皇の大幹部(しかも②で明らかになるように実質的に組織のトップ)という花形ポジションで復活している点でもこのシステムの秀逸さが際立っている。懸賞金システムに関しては稿を改めて詳しく述べたい。②に関して。クロスギルドの結成経緯に関しては良くも悪くも「でしょうね」という感じ。持ち上げられ芸が板についているバギー船長だが、だからこそ今後の活躍が楽しみでもある。③に関して。革命軍は「海賊と海軍」という二項対立を破壊して物語を動かすための第三勢力として導入されたのだと思うのだが、今のところそれで話が面白くなっているのかと言われれば、革命軍自体の属性が海賊寄りなところもあって微妙。ワンピースは海賊と海軍の対立はもちろん、思想信条立場などの違いによる海賊どうし、海軍どうしの対立も描いてきたとはいえ、まだまだ余地があるので。ルフィの身内が革命軍に多数配置されていることからおそらく今後のキーを担うのだろうが、トリコでいうNEOみたいにならないでほしいという思いがある。

呪術廻戦 第195話桜島結界④ 評価4+

DX日輪刀で不覚にも草。芥見先生のキャラクター造形能力の高さには死滅廻遊編以降ほぼ毎回衝撃を受けている気がする。初登場から一瞬でキャラを立てて「ああ、このキャラクターはこういう人物なんだ」と我々を納得させてしまうその力量たるや恐ろしいものがある。あと今回コマ割りがめちゃめちゃ格好いい。読者の視線を左へ右へと敢えて振り回すことでダイナミックさと乱入感(乱闘感)を演出しているような気がする。

ウィッチウォッチ 評価3

毎ページ毎ページ登場する「科学監修:くられ」の文言が一番面白い。このWikipediaの出典芸的なシュールな笑いをコメディの文脈に持ち込むのは何気に新しい気がするので、そこは素直に評価したいと思う。これだけ科学監修を推しつつも、結局のところ解決策が式神(笑)なのが残念だったが、前回に比べたら内容面は遥かに良かった。

SAKAMOTO DAYS  DAYS84いいにおい 評価4+

僕のヒーローアカデミア 評価4+

アオのハコ 評価4

あかね噺 評価5
文句なしの一言。この一話を以て作品としてのレベルが一段階高まったと言っても過言ではない。週刊少年ジャンプという雑誌において「芸能の論理」vs「ジャンプの論理」をどうやって止揚させるのかが非常に気になる。それはそれとして破門にはまだ理由がありそう(語ったことが全てではない)という絶妙な味付け。

おイナリ 評価3−
沼駿先生!癖が出てている点はいいと思ったが、なんとなく物足りなさを感じた。ニヒルな感じや毒の足りなさだろうか。

マッシュル 評価3
全くもって予想通りの王道展開。こういうのでいいんだよこういうので。

逃げ上手の若君 2−
若君のキャラ付けのキショさが浮き彫りになっている。ジャンプの平均的な読者はこの主人公に感情移入できるの?弧次郎には頑張ってもらいたい。

ブラッククローバー 3+
展開としては過去一面白い。敵役がただの下衆じゃないだけで評価が高くなるブラクロ特有のバグ。

PPPPPP 評価3+
「1番」の非対称性が最高。追記の必要あり。

僕とロボ子 評価3+
普通に面白い。

夜桜さんちの大作戦 評価2+
???「お前ら家族が洗脳されて連れ去られてるのになんで蕎麦打ってんだよ!」

高校生家族 評価3−
職場見学回。味があっていい。

すごいスマホ 評価2
主人公が「探し出す・・・!一緒に戦ってくれる 強い仲間を!」と宣言した回の最後で味方(?)がわざわざ自宅までやってきてくれる展開、ギャグとしてやっているのならマジでセンスあると思う。

ALIENS AREA 評価2+
なんとなく作品の方向性が見えてきたけど、少年漫画で扱うようなテーマじゃないよね。どうやって発展させていくんだろう。あとキャラクターの話し方のまどろっこしさ何とかならんか?

地球の子 評価1+
もうええて(笑)。

ドロンドロロン 評価2
連載お疲れ様でした。嫌いなタイプの作品だったけどドラとクサナギの友情や、変形アクションシーン、強キャラを強キャラとして徹底的に描く描写など見るべきところは見ようと思えば多々あったなという感じ。「俺たちの戦いはここからだ!」エンドではなく最終回を最終回としてきっちりまとめているのもポイント高い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?