見出し画像

ストーリー(物語)の力

ストーリー(物語)を語ったり語ってもらったりするのは、セールスにも婚活にも非常にパワフルな方法だということをお伝えしてきましたが、

ストーリーを語るというのは、太古の昔から伝わるメッセージの伝達方法で、神話学者のジョーゼフキャンベルによると、世界に存在する多くの物語にはある共通性があるということです。

それは、ヒーローズジャーニー(英雄の旅)とも言われるプロセスで、主人公が以下の流れを経験するようになっています。

1 Awakening to the call       (使命に気づく)

2 Accepting the call        (使命を受け入れる)

3 Gathering the allies       (仲間を集める)

4 Facing and transforming fears  (苦難を乗り越える)

5 Finding the gift         (自分の能力に目覚める)

6 Returning home         (故郷に戻る)

これを見ると我々にはすぐに思い出す物語がありますよね、

そうです桃太郎の鬼退治です。 他にもブッダのストーリー
もこれに当てはまります。 

スターウォーズマトリックスなどの映画はまさにこれを元に作られているそうです。

思うところがあり、自分の小さな村を出て苦境を乗り越える中で、培った技術や能力を故郷の仲間たちに分かち合い、そしてその仲間たちがまたそれぞれの旅が始まるという心の琴線に触れるストーリーです。 

僕はこれですぐに思い出すのは、パウロコエーリョというブラジルの作家による、世界的ベストセラー『アルケミスト』のストーリーです。 

羊飼いの少年が、自分の快適なライフスタイル(コンフォートゾーン)から飛び出し、新たな世界を旅するというもので、その旅を通じて少年が成長していくことを描いています。 まだ読んでいない方は、多少ネタバレになっているかもしれませんが、それでも面白いので是非読んで見てください。

さてストーリーというものには、パワフルに人の心を掴む要素が潜んでいるとお伝えしましたが、今回どうしてもお伝えしたい示唆に富んだ自己啓発系の講師なら多くの人が知っている面白いストーリーがあります。メキシコの漁師の話です。

それは僕の大好きな作家であるティモシーフェリスの代表作である

『週4時間だけ働く』という本の中でも紹介されているのですが、人生の成功とはなんだろうかと考えさせられるストーリーです。 

ではちょっとだけ長くなりますが、最後までお読みくださいませ。


メキシコの漁師の話

あるアメリカ人の実業家が、体調を崩したため、医師のアドバイスに従ってメキシコの海岸沿いの小さな村で休暇を取ることになりました。

到着して最初の晩を過ごした翌朝、オフィスから緊急の電話があり、よく眠ることができなかったため、彼は頭をスッキリさせようと桟橋まで散歩することにしました。

浜辺を歩いていると、漁師を一人乗せた小舟が接岸しているので、近づいて覗くと船内に大きなキハダが何匹か横たわっているのをみつけました。 アメリカ人はその新鮮な魚を指して漁師に、

”そいつらを捕まえるのにどれくらい時間がかかったかね?” と尋ました。

”まあ少しの時間ですよ”

そのメキシコ人漁師は驚くほど流暢な英語で答えました。

”なんならもっと時間かけてもっとたくさん獲ればいいのに”

とアメリカ人は尋ねました。

いや、家族が食べれて、友人に分けれればそれで十分です。と収穫の魚の入ったバスケットを船から下ろしながら答えました。

”でもそのあとの残りの時間は何してるんだい”


メキシコ人は顔を上げて微笑みながら答えました。


”私はゆっくり朝起きて、少し漁をして、子供たちと遊んだり、妻のジュリアと一緒に昼寝をしたり、そして夜は村を散歩して、ワインを飲み、ギターを弾いたりしてアミーゴたちと過ごします。セニョール、こう言っちゃなんですが、それはそれで忙しい毎日を送っていますよ。”

するとアメリカ人は笑って姿勢を正して言いました。

”なるほど、ところで私はやり手のビジネスマンであり何を隠そうハーバードのM.B.Aを持っているんだけども、ここはひとつあなたにアドバイスしてあげよう。

私が思うに、あなたはもっと漁に時間をかけた方がいい。 そうすれば、すぐにより大きなボートを買えるようになる。

そして収穫が増え、しばらく経つうちに、複数のボートを買えるようになるだろう。そしてさらにたくさんの魚が獲れるようになったら、獲れた魚を仲買人に売る代わりに、消費者に直接売るようにして利ざやを増やすことだ。 そしてそののちには、加工品の缶詰工場を開くといい。

そうなるとゆくゆくは魚の処​​理、製品化、および流通までも自前で管理できるようになる。そうなれば無論、この小さな漁村を出て、メキシコシティ、次にロサンゼルス、そして最終的にはニューヨークにまで進出することができるようになるだろう。その頃には適切なマネージメントで拡大する企業を経営する状態になっているんじゃないかと思う。”

それを聞いたメキシコの漁師は尋ねました、
”しかしセニョール、それを全部やるのにどれくらい時間がかかるんですか?”

アメリカ人はそれに答えて、
”おそらく15年から20年、長くても25年くらいだろう。”

”それでそのあとどうなるんですか、セニョール?”

アメリカ人は笑って言いました。

”そっからが一番いいところだよ。”

”タイミングが合えば会社を上場できて、保有する会社の株式を売って、ものすごい金持ちになれる。 まさに億万長者になれるね。”

”億万長者? それでそのあとどうなるんですか、セニョール?”


”そしたら小さな漁村にでも行ってリタイアできるよ、そこでの過ごし方と行っちゃたまらないよ、ゆっくり朝起きて、少し漁をして、子供たちと遊んだり、妻と一緒に昼寝をしたり、そして夜は村を散歩して、ワインを飲み、ギターを弾いたりしてアミーゴたちと。。。”


ここまで読んでくださいましてありがとうございます。 よろしければスキをしてくださるとすごく嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?