めちゃエラー
5月末、退職する元チームメンバーに贈る言葉を探していた時のことだ。こんなのがあるぞと、2009年のブルータス673号を上司が貸してくれて、その特集をじっくり読んでみたくなり、思わずAmazonで購入してしまった。
特集「美しい言葉」。
家で湯を湧かしている間にぱらぱらめくったりしているが、結局好きなのは読了済でもあるせきしろと又吉の共著『カキフライが無いなら来なかった』から自由律俳句を抜粋しているページだ。
「ねぎし」って手もある
居候の方が背が高い
等、だからどうした、というものが無性におかしいのである。
そうなのだ、言葉は時に美しくおかしいのだ。
大学時代、友人と他愛もない話をしていた時のことだ。話を聞けば、友人が家で使用しているCDコンポが壊れたという。
初めは、CDを入れたり、何か操作をすると「エラー」と表示されてしまうとのことだった。ああ、壊れていると思いながらも、友人はだましだまし使っていた。この音を出せ、これなら回せるだろ、え、これもムリ?なんて幾度となく無理を言っていたらついに表示が「めちゃエラー」となったとのことだった。
わたしたちは、今後この表示は「メタエラー」だの「むちゃくちゃエラー」だの、はたまた「アカン、ほんとむり」などといった具合に発展していくだろうなどと馬鹿なことを言っていた。
そんなわたしたちは、馬鹿なことを言い続けたまま大学を卒業をした。
そして、その数年後についに自分の家のCD+MDラジカセ(aiwa)にも、かつて友人が話していた事態がおこったのだ。
「めちゃエラー」。
しかし、5秒も経たぬうちに、わたしは更なる事態に気付いてしまったのである。
「MECHA ERR」。
友人よ、これは「めちゃエラー」ではなく「メカエラー」だろう。
思わず撮った写メは、まだ二つ折りの携帯を使っていた頃のもので画像は荒く、その時代を物語っている。
卒業後、その友人とは何度か会っているのに、この事実は伝えられないまま。次回集まる時こそ伝えたい。
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