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「お大事にね」が嫌い。

「熱がでました」
体温計の写真を添えて。

社内のチームLINEにとあるメンバーから入った連絡。
そこに続々とつく「お大事にね」の返信を眺めているうちに吐き気がした。

私は「お大事にね」っていう言葉が嫌いだ。
あえて文章にすると自分が斜に構えた人間すぎてびっくりする。
「ハウアーユー」に「アイムファインセンキュー、エンドユー?」と返すようなもの。
私たちは人生のどこかで、誰かから体調が悪いという申し出があったら、お見舞いの言葉として「お大事にね」と言うことを学んだはずだ。
ありふれた挨拶を言わない自分がかっこいいなんてこれっぽっちも思ってない。
むしろ良い歳してこんな捻くれてる自分に嫌気がさした。
だけど、どうにもこうにも折り合いがつかなくて、今noteを書いている。

自分が体調が悪い時、「お大事にね」っていう言葉をかけられて嬉しいだろうか。
私は嬉しくない。
他人のことは知らないけど、私自身は嬉しくない。
だから他人にも気軽に「お大事にね」なんて言いたくない。
即レスで「お大事にね!」と入れるのは優しい人に見えるかもしれない。
更に「早く良くなってね」なんて添えちゃったらとても優しそうだ。
だけど私は「お大事にね」なんて言われた瞬間に壁を作られたように感じてしまうだろう。

「お大事にね」と言ってる人で、相手が本当に“お大事”にすることを心から願ってる人と出会ったことがないからかもしれない。
「お大事にね」には何の解決も含まれていない。
きっとソイツの「体調が悪いです」の後には「だから...」から始まるもう一文が続くのだ。

弊社はそんなに良い会社ではない。
「気にせずゆっくり休めよ」
なんて冗談でも言えない。
ソイツが担っている役割がある。
引き継ぐなら引き継ぐ、本人が頑張るなら頑張る。
緊急以外の作業は止めて、関係各所に連絡する。
その連絡は本人からできるのか?
それとも誰かが代わりに?
矢継ぎ早に問う私はめんどくさいヤツだろう。
けどなんの役にも立たない「お大事にね」の羅列よりはマシな気がする。
少なくとも私にとってはマシだ。

ハイコンテクスト文化の弊害、というのだろうか。
本来だったら「体調が悪い、だから、こうしたい、こうして欲しい」っていうところまで言うべきなのだ。だって社会人なんだから。
リモートワークなんて文字での共有が全てだ。

「お大事にね」で片付けた人は行間があることにも気づいていないか、その行間に気づいた上で無視しているのだ。
社会人なのにちゃんと希望を伝えなかったソイツは悪い。
だけど、優しいフリして「お大事にね」というヤツも怖い。

私は文字で書かれていない何かを勝手に拾って勝手にイライラしているとてもめんどくさい人間だ。
気を使いすぎるわりには好かれない。
私の悪いところが出ている。

だけど、何にも気づかないフリして、
「お大事にね!あったかくして寝るんだよ!」
っていうのが優しい先輩なんだとしたら。
私はそんな存在になんてならなくて良い。


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