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「ビジネス実務法務検定」に合格して感じた、「合格」以外の「ちょっとした副産物」

先日、「ビジネス実務法務検定」の3級、2級を独学で受験し、どちらも無事合格することができた。法務として働くうえで、知識がまだまだ足りていない。何か自分自身の業務に生かせれば。そんな軽めな気持ちで受験したが、2か月の勉強期間を経て合格した今、「合格」という事実はもちろんのこと、業務を行う上でのちょっとした副産物があった。それは、試験勉強を通して感じた「もっと学びたい」「もっと深めたい」という気持ちの高まりだった。

受験を思い立ったのは今年の4月。営業事務の方と話す中で、受験を検討していることを聞いてからだった。試験自体は昨年、とあるイベントに参加した際にその存在を知ったのだが、仕事でトラブルがあり思うように時間が取れず、いつしか先延ばしになってしまっていた。調べてみると受験時期は年2回しかない。一緒に受験する方もいる。だったら一度、受けてみよう。見切り発車な部分もあったが、申込開始日を待って受験申込を行った。また、ダメでもともと、まずはやってみようと考え、3級の受験に加え、同時に2級も受験することにした。職場のリーダーや上司にも「受験します!」を伝え、自分自身にプレッシャーも課した(リーダーも2級の資格を保持しているそうで、応援も頂いた)。

ただ、受験勉強を始めると、これがなかなか難しい。業界が違えば法律も違う。知っている法律ももちろんあるが、日頃触れていない法律が大半だった。特に、不動産の債権債務回りについてはほぼ初見で、問題集を解いてもなかなか正答率が上がらず、受験直前まで不安だった。法務特有の言い回し(「推定される」と「みなされる」のひっかけなど・・・)にも苦戦した。慣れてきてはいると思っていたが、それは過信だったことに気づかされる。平日は残業、土日は前から入れていた私用(入れるな、という話だが、前から決まっていたので・・・)もあり、勉強時間もあまり多くは取れない中、通勤中の往復2時間、職場の昼休みなど、空いた時間でテキスト⇔問題集を行き来して学習した。試験直前の土日は、コーヒー片手に集中して叩き込んだ(学生時代のテスト前を思い出した)。

結果、3級は余裕をもって、2級はギリギリなんとか合格することができた
。法学部卒でもなく、実務もほぼ独学&分からない点を先輩に聞く、という状況下で自信がない部分も大きかったが、今回の受検&合格を機に、多少の知識的な自信を持つことができた。職務経歴書に書けるというのも嬉しい。ただ、それに加えて自分でも少々驚いたことがある。それは、受験を通して触れた法律について、「もっと知りたい!」「学びたい!」という気持ちが大きくなっていたことだった。

例えば会社法。試験では場合分けや細かい違いも出題されるとのことで、個人的には少々苦戦した部分だった。しかし終わった今、むしろ会社法を深めたい、もっと知っていきたいと考えている。実務で考えると、今は経験豊富な上司が行っている業務が多いが、今後の自分の興味や成長次第では、任せて頂ける可能性も大いにあるはずだ。

「試験に出るために覚える」という時期は確かに苦痛だが、覚えてみれば、実際にその知識を使ってみたくなる。ただ、使う上ではまだまだ知らないことや、整理できていないことが多いことに気づき、知っていきたいと思う。同様に、民法についてもそうだし、なじみの薄かった不動産関係の法廷事項も同じく、もっと広げたい、深めたくなる。最初は「試験に出るから」という目的でのインプットだったが、それをきっかけに、自分自身の意志で知っていきたい衝動に駆られる。ちょっとした副産物だ。

知的好奇心が他者よりも高めな僕は、「知る」ことへの興味が高い傾向がある。ただし、現職への異動後はどうしても日々の業務に精一杯になるあまり、また、「難しそう・・」という心理的なハードルの高さもあり、新たな法に触れる一歩を踏み出せなかった。ただ、試験をきっかけに一歩踏み出せば、自分自身の「知への熱狂」を呼び覚ますことができた。法務という特性上、日々勉強することが求められるからこそ、こうした機会を通し、少しずつ知識の幅を広げていきたいと思う。

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