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スタートアップが全員採用をする際につまづかないための7つのポイント

ここ数年で一気に「全員採用」や「スクラム採用」など採用活動は全員で行うという言葉を聞くようになりましたね。例えば、Ubieさんが「採用人事が不在の中、リファラル採用70%超えた」話はスタートアップ界隈で話題になりました。

これらの背景から、現場の方を巻きこんで、「当社も全員採用するぞ!」と採用活動をするための体制を整えようとした企業様も多いのではないでしょうか?

とても素晴らしいことだと思います。昨今の採用の市場は多様化し、採用マーケティングやカジュアル面談、オファー面談など対応しなければならないことが山ほどありますよね。採用担当者や人事だけではどうしても工数が足りなくなっているかと思います。

しかし、「現場のメンバー」にも面談・面接官を依頼しよう!としてお願いするだけではうまくいきません。何も準備をしないで始めてしまうとつまづくことがあります。

ではみなさんの企業でも"全員採用"をしていくにはどうしたら良いのか?詳しく説明をしていきます。

今回は、スタートアップが全員採用をする際につまづかないための7つのポイントポイントを羅列して行きたいと思います。

このブログを読んでほしい方
 - これから全員採用を始めようとしている企業の方
 - 全員採用しているけど、あまり良い結果が出ていない企業の方

※もし1つでも当てはまる内容がある方は、ぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです!


1. 選考の最終決裁者は誰か

全員採用をしていると起こりうる課題が、「選考の最終決裁者は誰か」という問題です。複数名が採用に関わることによって、求職者様への意見がばらつくのは当然ですよね。そんな時、誰の意見を評価するのか、選考の最終決裁者を決めておきましょう。

いやいやもちろん代表の意見でしょ、と言われるかもしれませんが「エンジニア採用」ではどうでしょうか?採用担当やCEOでもエンジニアの「スキル」を見極めるのは難しいです。そうなると、CTOやエンジニアのメンバーにも選考を依頼しますよね。
そうした際に問題になってくることは、CEOとエンジニアサイドの意見が違った時にどうするのか?ではないでしょうか。

👨‍💼CEO「ミッション / ビジョンへの共感や人間性も素晴らしい◎」
👨‍💻エンジニアサイド「スキル不足・育成するにもコストがかかりすぎる×」

このような場合、その方を不合格にするのかどうするか決まっていますか?おそらく最終選考に近いフェーズだと思いますので、あまり時間をかけずにジャッジをするべきだとは思います。最終ジャッジをする場合は、そのメンバーの入社後までもを責任を持てる方にお任せするのが良いと思います。

2. 選考回数の規定

面談 / 面接に関わる人が増えると、選考回数が増えることが予想できます。選考回数の規定をあらかじめ決めておきましょう。

・求職者の方々の志向性とこのメンバーと価値観が合いそう!ぜひ会ってもらいたい
・なかなか自分だけでは決断しきれない。とりあえず他の人にも判断してほしい

その気持ち非常に良くわかります。ただ一方で、選考の回数が増えると離脱する方が増える可能性があります。その時に、離脱があるとしてもまだ面談 /面接の回数を本当に増やすべきなのかどうか事前に確認しておくと良いと思います。

カジュアル面談を含む面談 / 面接回数が、
4回以上の場合 ⇨ これは市場で見比べても多すぎる回数
3回の場合   ⇨ 市場平均
2回の場合   ⇨ 平均以下で見極められたら素晴らしい

もちろん回数が少なければ少ないほど良いということを伝えたいのではないですし、貴社も回数を減らして採用することが目的ではないと思います。
ただ、昨今の激化する採用市場においては転職意欲が出たタイミングで短期間での転職活動をする方が増えています。鉄は熱いうちに打て、と言われるようにタイミングを逃さないようにしたいですね!

3. 面談 / 面接の"目的"共有

急に「●●さん、今度の面談 / 面接、お任せしますね!」と、依頼をしたまま終わっていませんか?なぜ、この面談 / 面接になぜあなたをアサインするのか?なにを目的にしているのか?その他、この方の詳細など....しっかりと社内で共有しましょう。

例えば弊社の例で恐縮ですが、最終面接後に会食があった際下記のような共有がありました。

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代表山根からのSlack(一部)

代表との最終面接の後にすぐ会食面談があったため、Slackでの共有となりましたが、もちろんATSを利用している場合はATS内のメモ機能を活用して次の面接官に申し送りするのが良いと思います。

 - 候補者様の詳細
  - バックグラウンド
  - 温度感・同業他社の状況
 - 見極め / 惹きつけ何割くらいか
     - 見極めであれば・・・
    - どのスキルを見るのか
    - カルチャーマッチを重視するのか
  - 惹きつけであれば・・
   - なんの話しが刺さりそうか
   - アサインが複数人の場合、それぞれ期待する役割はなにか

この辺りの共有があると、自分(今回面談 / 面接を依頼する方)が代表や採用担当から”何を求められているのか”はっきりわかりますよね。

この共有をしていないとどうなるか。既に見極めている部分に対してまた別のメンバーが見極めをしてしまったり、見極めて欲しかった部分がわからないまま選考を通過していたり、アサインする側の意図とは違った面談 / 面接になりかねないと思います。

4. 採用活動の難しさ

採用活動の難しさを社内に共有しておきましょう。

特にエンジニア採用に頭を抱えている企業は非常に多いです。最近では、セブン&アイや良品計画、カインズなどの大手企業が一気に内製化へ動き出しました。潤沢な資金がある企業が内製化に踏み込んだことで、ますますスタートアップやベンチャーの採用は難しくなることが見込まれています。

もしあなたの企業のエンジニアが、メガベンチャーや有名企業出身である場合、採用の難しさをちゃんと理解してもらうことは難しいのかもしれません。なぜならば、これまでは採用に苦労することがほとんどなかったからです。これは、仕方のないことですよね。

まずは、「母集団」や「歩留まり」、「1人当たり採用するために何名ほどの応募が必要か」数値で見せられると良いかと思います。

よろしければ下記データをご利用ください。

source:TalentLyft
source:TalentLyft

5. 採用活動の優先

他の業務の兼ね合いもあると思いますが、採用活動は最優先事項であるとご認識いただきましょう!

なるべく既にスケジュールに業務が入っていても検討していただければと思います。例えば社内の定例MTGなど。採用活動と比べた時にリスケできるMTGなのであればご検討ください。

また社外とのMTGでも、あなただけが参加するわけではなく他の方の同席等であれば、調整することも手かと思います。

面接官が多忙過ぎて面接日時調整ができないことはありませんか?
近年、応募から入社承諾までの期間が2週間以内となるケースもよく耳にします。

意識していただくべきスピード感としては、下記の通りです。

 - 選考結果は1日以内にご連絡
 - メールのレスは1日以内

6. 評価軸

貴社の選考の軸を決めましょう。
これまで特定の方のみが採用に携わっていた場合、経験からくる感覚で合否を決めているケースをお見かけします。

評価軸が決まっていないと、面談 / 面接官を増やせば増やすほど評価基準がばらつきます。「この候補者様ってなぜ合格なの? / なぜ不合格なの?」そんな疑問が社内から出てしまうかもしれません。

 - ミッション / ビジョン共感
 - 仕事への価値観がマッチしているか
 - 素直さ / 謙虚さ

例)選考において求める人物像3点

弊社では面談 / 面接官が上記内容をもとに評価をします。定性的な評価ではありますが、社内のメンバーは日頃より上記3点が弊社では重要だと何度も山根から伝えられています。そのため、評価が大きくずれることはほぼありません。

誤解の無いようにお伝えすると、ここでお伝えしたい「評価軸」とは求人票に記載してある必須要件とは別だと考えていただければと思います。あくまでも必須要件は満たしている、その上で何を評価するか?という意味合いであることを認識ください。

7. 見極め能力

適切に見極める能力があるメンバーをアサインしましょう。
ポイント6で何を軸に評価をするのかを決定されたとしても、面接時にその軸を見極めることができるメンバーをアサインしていなければ、勿体無いと感じます。急成長しているスタートアップでよくある話が、求職者様に対して”今”の自分のスキルと同等のレベルを求めてしまうということです。今の求職者様のスキル感と、今後その求職者様が成長するポテンシャルを加味して判断することのできる方をアサインするのがオススメです。

またこれは、向き不向きも関係してくるお話です。
以前こんなブログを書きました。

👆のブログの「2-2.カジュアル面談の担当者」に詳細を記載していますが、人によってアトラクトが強い方なのか・見極めが強い方なのか様々です。その辺りも加味して決定していくと、より良い採用ができるのではないでしょうか。

最後に

ここまでお伝えした7つのポイントについておさらいです!

上記7点を事前に社内で確認していただけると、スムーズに全員採用を始められると思います。少しでも参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただきましてありがとうございました!


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