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ロマンティックMMT−2:あなたは主流のトリックを知っているか?

 前回、「MMTが理解されない理由」はいったい何だろうということで持ち出したのが高・低文脈文化論でした。

 次は、そうした状況は前提とした上で「ではどうしたらMMTが伝わる可能性が高まるか」ということを考えなくてはいけません。

 けれど nyun は思います。これを読んでいるあなた!

 あなたはすでに相当マニアと思います。けど、たぶんあなた「ですら」まだ理解が甘い。

 知識体系とはそうしたものだ思いますが、理解した後の目線からは、「あ、この人まだちょっとわかっていないな」ということがわかってしまうのです。

 これ、自慢したいわけじゃない。だってこちらは「徹底した下から目線」なのですから。むしろ不安なんです。そろそろ気づいて!!

 本気で徹底して目線を下げたなら、本当に本当に【世界が逆転して見える】のです。

 それだけのことなんです。パズルが解けたことなんて自慢になんかならないですよ。

 パズル的なものといえば、以前にゅんブログでだまし絵の話をしたことがあります。有名なウサギアヒルの絵で、ウサギとアヒルの両方が見えますか?という話をしたわけです。

 しかし!

 だまし絵の見方を一つ二つマスターしても、足りません。本当の問題は、「だましの手口」を見破っているかどうかだと気づいたのです。

 だって、どうやら、多くの人が「わかったつもり」になっています。

 別に手口を見破っていない人だって、アヒルが見えることがあるわけです。それではぜんぜん意味がない。

 つまり「MMT大体わかった」という人が、実はほとんどわかっていない。そういうことがしばしばあるんです。(なんとなくですが、「MMTは会計的事実だけで十分」という人たちのことを意識しています)

 その人たちは、まだ簡単なトリックに騙されたままです。

 反対に、トリックに気づき、悔しい思いをした人たちは「主流派経済学」が心底いやになるはずなんです。経済学者と仲良くすることはほぼ不可能になるでしょう。ケインジアンとも融合することができなくなるんです。

 どうですか?

 いま nyun が何を言ったかわかりますか?

 ニッコリしてくれる人は数人くらい...かなあ。

 ちょっと問題を出していいでしょうか?あなたは今の主流のインチキのトリックがわかるでしょうか?

クイズ:主流トリックを見つけよう!

 この三月に出版されたこんな本があります。財政運営の時系列分析。サイトから目次を引用します。

序章 日本の財政運営と本書の構成
第1部 政府支出と経済成長
第1章 日本におけるワグナー仮説の実証的検討
第2章 政府支出と経済成長の因果関係
     ― ワグナー仮説とケインズ仮説 ―
第2部 政府の財政赤字の持続可能性と収入・支出の関係
第3章 財政赤字の持続可能性
― 国の一般会計を対象とした分析 ―
第4章 一般政府における財政赤字の持続可能性と非対称的調整
第5章 政府の収入と支出の因果関係
第6章 国の財政と経済成長の異時点間の関係
― インパルス反応関数による分析 ―
第3部 地方財政をめぐる収入と支出の決定
第7章 地方財政における収入と支出の因果関係
― 非対称的調整過程を考慮したモデルによる分析 ―
第8章 地方財政における収入と支出の異時点間の関係
― インパルス反応関数による分析 ―
第9章 地方財政運営における支出と地方交付税の関係
― ソフトな予算制約問題 ―
第10章 本書の要約と今後の課題

 さて皆さん。これ、本がまるごとトリックになっていまするのです。一瞬でそれを指摘できますか。

 別に、この本である必要はありませんでした。ご著者の名前すら見ていません。いまちょっとアマゾンで調べただけです(ごめんね)。

 でも目次を見るだけで、「あー、この人はアレをやっているな」とわかるかどうか。

 この著者の方に悪意はゼロだと思います。真面目な人である可能性の方が高いでしょう。でも、言い切れます。この人は無駄な仕事をしています。そして、MMTが国債を廃止せよという理由の一つは、こういう頭のいい人たちが、経済学という悪い知識で若者を洗脳したりせずに(この時点で犯罪的)もっと有意義な仕事をするべきだと考えるからです。ミッチェルの言う膨大な社会の機会損失です。害悪。

 どうなんでしょう、

 トリックを指摘してみてください。

 一つヒント的なものとして、「財政赤字を心配しているから」では、だめです。答えになっていないのです。

 わかった人は、コメント欄とかで nyun に挑んでみませんかー\(^o^)/

つづく

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