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秋の友だち(13首)
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秋、小樽旅行。友だちは東京から、わたしは札幌から。
空港に着いたLINEに返事してのんびり家を出て地下鉄へ
快速の電車のなかで待ちあわせ髪の感じですぐにわかった
広いねぇ、空。と言うとき友だちは新宿のカラオケの横顔
二年間会わないうちにふたりとも高い踵を脱皮していた
小樽芸術村
手のひらを見れば復活後とわかる美術館に照るステンドグラス
処女懐胎の祝福いつか男でも孕めるようになるときが来る
地下金庫室の扉の分厚さよ女の子だけでいたころの声
彫像はおんなの姿ばかりある ね、さっきも胸出てるのあった
どんな家に住みたかったか過去形で諦めたことのざらざらの味
気がつけば夜に覆われわたしたちベル・エポックに取り残されて
ガス灯のぬくい揺らぎに十代の思い出するするほどかれてゆくたった
これっぽっちの運河に揺れる人眺め横顔ばかりの記憶
まだ雪が積もらないから暗すぎてまたねと言っても永遠みたい
去年の秋につくったものです。
詞書を使ってみたかった。
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