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短歌2023.12(8首)


生年を告げずにのぼる階段の二階は澄んだ洞窟のよう
梟の昼のウインク凍りつく道に枯れ葉が埋もれてしまう
あおい眼で くうを見ているいきものの首の重さを木は受け止めて
輪郭で女と思う身体も寒々とした木からうまれた
地上には無恥の羊はいないからひとつをひとつと数えていい
セーターの似合う羆の小さな目そのやさしさの奥の無響は
またきみがうまれるまえの星だった尾を振れば振るほど降り注ぐ
木も骨も炭になるまでストーブの音が窓辺に雪を呼び込む


先月末に古川潤さんの個展を見てきました。
ほんとうにほんとうに素敵な世界観だった。

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