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まひる野2023.11月号掲載作品

波音を聞きたい朝に飼い猫の眠りの深さ確かめている

影ながく伸びるわたしの身体が鳥なら影も鳥だったのに

真夏日の大きな水が見たいのに空を見ている花の憂鬱

地下道の冷気うるわし八月はハデスの息を近く感じる

日記には書かなかったな恋人の爪を間近に眺めたことを

てのひらが熱くて眠れない盆会 死を知るまでは死者じゃなかった

命日じゃなくてわたしの誕生日にわたしを思い出してねいつか

何歳でもプラネタリウムは夏に行くうまれる前に闇があるから


8月につくった歌です
「何歳」に「いくつ」ってルビ振るつもりだったのに忘れてた

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