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まひる野2023.3月号掲載作品


夜ふかし

風邪ひきの猫の鼻水拭いてやる 父は吸ったらしいわたしの

もう暗い十六時半そののちに不思議にあかるい真夜中が来る

月の円見つけて冬をふと忘れ空の遠さを思うしばらく

夜ふかしの公園ふかく雪を踏み疑うことはひとりの娯楽

雪みちてあかるい夜に秘めつつも卵巣ひとつまだ腫れている

七時には日が昇るはず真冬日の燃える朝焼け何度も見たい

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