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Scrapboxと発表者が規定の時間で移動するオンライン・ポスター形式の合同研究会がとてもよかった話

中村研では「ひとりの落ちこぼれも出さずにある程度高いレベルまで上げる」ということが基本的な運営ポリシーであり,色んなことをやっているのですが,その中でも重視しているのが他研究室との積極的な交流会だったりします.

研究室に閉じていると仲間も世界も広がりませんし,画一的な評価基準のなかでいるのはうまくいっている人にとっても,うまくいっていない人にとっても望ましくありませんし,機会損失にもなります.また,一度学会発表して終わりじゃなく,途中の段階で色んな人にコメントをもらうというのも重要だなと考えているため,特に関西大学の松下光範研究室や,お茶の水女子大学の伊藤貴之研究室とは毎年のように合同研究会を実施させていただいています.本当にありがたいことです.

さて,今年は新型コロナウィルスの影響で研究室の活動が大幅に制限されてしまったことで,当然のようにこの手の合同研究会もその場に集って実施するということができなくなりました.本当に困ります.なので,オンラインでどう実施するかということになりました.オンラインでポスター発表,かなり難易度が高くなります.

で,まず実施したのが8月の松下研究室との合同研究会.ここで幹事の学生さんたち(中村研・松下研の代表者)が工夫してくれたのが,中村研がよくやるRemo Conferenceを用いたペアプレゼンをポスター発表に応用したもの.

具体的には,まず全員をどこかのセッションの発表者として割り当てる.次に,そのセッションの発表者以外を全部聴衆とする.各セッションでは,Remo Conference内で発表者が指定のテーブルに座り,聴衆も等分割してグループにし(教員だけは1人),規定の時間(発表5分+質疑3分)が経つとテーブルを移動していく.これにより,同じセッションで発表している以外の人の発表は全て聴くことができるというものになっています.

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教員はずっと聞きっぱなしなので,25件くらいの発表をひたすら聴いてコメントしていくという感じでなかなかハードですが,とても楽しく合同研究会を実施することができました.いやぁ,合同研究会とかで他の研究室のテーマを聴くのは楽しくて良いですね.

一方で,複数人が聴衆となる場合に3分しかないので,コメント・質問ができない,コメント・質問されなかったものは伝わらないなどの問題がありました.また,聴衆が移動することになるので,毎回動く人数が多いのと,移動の仕方がやや難しかったため(Remo Conference上での席と対応づいていなかったため),混乱することが多々ありました.


ということで,幹事の学生さんたち(中村研・伊藤研の代表者)が伊藤研究室との合同研究会に向けて色々改良してくれました.まず,聴衆ではなく発表者が動くというスタイルへと変更.これにより,動く人数が減ったのでトラブルが減りました.また,移動するテーブルをRemo Conference上でわかりやすくし,それを事前の資料として用意してくれたので,トラブル無く進行しました.松下研究室との合同研究会とは異なり,発表4分+質疑3分というかなり厳しいスケジュールだったのですがスムーズに進んだのはかなり素晴らしかったです.

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また,今回幹事の学生さんたちが事前に,合同研究会用にScrapboxを用意し,そこで全体のアナウンスや,各発表のページを用意し,聴いてる人は自身のスペースを作ってそこにひたすら質問やコメントを書いていくというスタイルを取りました.

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各発表のページはこんな感じ.各聴衆が自身のスペースを作って質問やコメントを書いていくので,誰によるものかがわかりやすいですし,これが3~4ページ分並んでいるので,あとにも参考にできてとても良いです.

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最初の1セッション目は慣れていないこともあって活用は不十分でしたが,途中からはめちゃくちゃ活用されるようになり,かなりの質問コメントが残っていて,その場にいなかった私なども参考になるものがたくさんあってとてもよいものでした.時間が限られているので全員が質問・コメントできませんが,こういう風に残すことができるとお互いのためになってとてもよいですね.

ちなみに合同研究会などにScrapboxを使うと良い点は他にもあって,研究室の情報共有もScrapboxで行っている場合,合同研究会で頂いたコメントなどが含まれるページを一度エクスポートし,研究室のScrapboxにインポートすることで,一気に取り込むことができるということです.

下は,合同研究会の中村研に関するページ群.

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こうしたページ群を,ざくっと全部研究室のScrapboxに取り込んで,整理・検索などもできるようになりとても良い感じになりました.

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ということで,時間を決めて次から次へとテーブルを移動する形式で,Scrapboxを活用するポスター形式がとても良いという話でした.


この手のポスター発表を実施するなら,Scrapboxにポスターの画像やPDFを貼り付けて,そのページ単位で音声通話できるようにし,そこで音声コミュニケーションを取りつつ気がついたことなどをどんどん書いていくような仕組みを作るといいかもですね.WISSチャレンジっぽい話かな?

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