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[研究室運営] 研究成果はオープンアクセス化

下記の記事にも関連するんですが、

やっぱり学会発表して終わりはもったいないです。情報処理学会などで会員でないひとは(研究会の原稿の場合は、研究会の会員でない場合は)その論文を2年くらいお金を払わないと読めません。まぁ、そのひとにとって読む価値のある論文ならいいんですが、お金払って読んで大したことなかったじゃショックも大きいと思うのでなかなか読んでもらえないと思います。

あと、恥ずかしながら科研費に落ち続けてる私にとって、企業さまからの共同研究費をいただくのは研究室を回していくうえで大きなお仕事ですので、いかに手間をかけずに宣伝するかが重要になります。

目的

研究成果を、発表したらPDFとスライドセットですぐに公開することで、色々なひとから興味を持ってもらう。また、検索で引っかかるようにすることで、共同研究費の獲得などにつなげる。あと、研究室内で手軽に参照できるようにする。

実施方法

こちらは残念ながらハードルが高いです。

まず、宮代理弘君(当時FMS学科の学生さん)が研究していた「オープンアクセスを見据えた研究室論文データベースの構築」のシステムを改良してもらって、中村研用の研究室論文データベースを構築してもらい、そちらに論文のPDF、関連する動画、スライドをアップしてもらっています。また、研究室の野中滉介君にシステムを改良してもらって色々機能強化しています。

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そのシステムに、学生さんは発表前にタイトルや概要、著者リストやキーワード、表示用の画像を事前登録してもらい、学会会場などでPDFをもらうとそのPDFを登録、また発表後にSlideShareDocswellにスライドをアップロードし、こちらの方に公開するようにしています(なお、SlideShareやSpeaker Deckにも対応しています)。

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どういったファイルを公開してよいのかは、先述の宮代くんに色々教えてもらい、著作権表示を行ったうえで、該当するファイル(出版社版や、投稿の最終版、プレプリントなど)を公開するようにしています(下の図は、その宮代君の発表スライドより)。

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結果

ブログ記事からデジタルライブラリにリンクしているということもあって、デジタルライブラリを見て共同研究やアドバイザなどの依頼を受けたりしています。なので、科研費に落ち続けているような私(および研究室の学生さんたち)にとってはとてもありがたいものとなっています。

また、学生(特に研究室の新人)が先輩の研究を参照するときとかに、すぐに見つかるのが良いところです。これとこれとこれを読んどいてと、URLを渡せば、そこにPDFもスライドもありますので。

あと、PDF以外にもWordやPowerPointなどのオリジナルのファイルもアップしてもらっているので、講演などを依頼されたときに、デジタルライブラリを漁って資料を作ることが手軽にできるので超便利です。資料って散逸しがちなので、まとまってると本当に助かります。

PDF/Slide/Wordがアップされているかどうかを確認できる

ちなみに、こうして原稿やスライドを公開しているため、他の研究室の論文紹介や企業内での紹介などでも使われているという話を聞きます。スライドとか公開されてると紹介する時(少し楽できますし)便利ですもんね。

ということで、導入にはコストが掛かりますが、おすすめです。現在、このサービスを他でも利用できるようにしており、関西大学の松下研北海道情報大学の湯村研はこだて未来大学の角研などでもご利用いただいています。さくらインターネットのVPSとドメインを契約してもらう必要はありますが、そこまでの大きな負担ではありませんし、こちらの学生さんに導入のバイト代を払っていただけるだけで大丈夫ですので、もしご興味がありましたら私までお願いします。

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは研究室の学生さんの飲み会代に補助として使わせていただきます。