【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「15の夜」尾崎豊
ケイイチの経営する音楽マネジメント事務所は波に乗りきれない。自分の手腕を疑っている、そんな毎日。娘のハイヤが15歳の誕生日を迎えた夜、「これ、聴いていい?」と尋ねてきて、驚いた。手にしていたそれはLPだったからだ。「どうしたんだ?」と聴くと、ライブに学校の高等部の先輩と行った際に買ったという。フィンランドからやって来たそのミュージシャンはLPしか作らない主義だそう。その心意気にハイヤなりに感動して買ったということらしい。
ちなみにハイヤの英語力はあくまでも中学レベル。そんな言葉の壁も乗り越えて行動に移したことが素晴らしいから、LPも傑作に違いないとケイイチは期待して、針を落とす。だが、鳴り響いたのは耳障りの悪いノイズ・ミュージック。ところが、ハイヤは「これよ、これ!」と興奮。10代が聴く音楽も変わったんだなあって、会社の運営を、若者に任せようと考えを改めた。ハイヤが黙ってライブに行ったことも大目に見た。
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