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【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「Dear Prudence」ザ・ビートルズ
「空が青いですね」って駅のホームでイカリが。ダイヤが乱れている。多くの人が待ちぼうけ。「自販機で何か買いませんか」と続けて。「コンポタ飲みたいです」とチャイロは返した。敬語で話すのをやめたいとイカリは思っていた。3歳年上のチャイロもそうだとは知らずに。
「夏の青空って青すぎません?」
「夏はまだ先です」
「こんなに暑いのにですか?」
ホームがざわついている。人々たちに不穏さが生まれ始めた。どこか刺々しいので、たまらずイカリは離れた自販機へ彼女を誘導。
「温かいコンポタないですね」
「暑いからですよ」
「もう夏だって認めませんか?」
「何にします?」
「無視ですか」
「ええと、好きです」
「え?」
「水ゼリーおごります」
はぁ?という顔をチャイロはする。押しつけられた水ゼリーは得体が知れなくて飲むのに勇気が必要だった。それ以上に、イカリが言った言葉の真意を訊くことにドキドキ。その前に敬語やめなきゃって、チャイロは。
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