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【400字小説】燃え尽きるから美しいもの。

「人間全員、最後には骨になっておしまいさ」

それが太志の口癖だった。

葬式。

遺影の太志はyeahってピースサインで異例。みんな笑ってる。むしろ、みんな大爆笑。お母さんまでそんなザマだから、安心した。猫が部屋をうろついていて、ついでに弔問客からセクハラを受けていた。太志のバンドの音源が延々流れていた。ブラウン管のテレビが3台横並びになっていて、太志の幼少期の映像や、中学のバスケットボールのプレイとか、大学時代の自主制作映画が消音で垂れ流されていた。

集まった人々はまさに多種多様。日本人も外国人もいる。太志の実家は一般的な大きさだから、中に人が入りきれないほどであった。警察が整理に来たりもしたけれど、太志の葬式と知ると仕方がないと見逃した。路地は全部葬式のせいとは言わないが、車が渋滞している。

いざ火葬場へ太志が運ばれるとなったのだが誰も腰を上げなかった。「太志の骨なんか見たかねえよ」と別れを認めなかった。

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