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jakoko
【400字小説】余計なプレゼント
誕生日でも記念日でもないのに妻がプレゼントを。思わず呆気に取られていると「嬉しくないの?」と妻は。部屋の壁が崩れかかっているのは、猫たちがいたずらをしたせい。真っ赤な包装紙のプレゼント、YouTubeをよく観ている、わたし。スタエフに夢中なのは、妻。わたしには無関心でライブ配信している。
だから、本当にプレゼントは寝耳に水。抱き合ったのはいつだったか。「愛してる」も「好き」もない、この数年間。子どもがいれば少しは違ったのか。考え事をしていたわたしを「ねえ」と妻が急かした。「多分、これは」と中身を予感した。レコードだ。でも確信は持てない。何しろわたしはレコードプレイヤーを持っていないからだ。丁寧に包装紙を剥がすと出てきたのは、やっぱり。しかも極秘で好きでいる女性アーティストのそれだったので、なぜ好きだってわかったのか不思議だった。
「あなた、好きでしょ?」
返事に詰まっていると、猫たちがわたしをからかった。
❏❏❏
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