【書評】データドリブン脱炭素経営エネルギー効率の指標化によるグリーン成長戦略

筒見 憲三
幻冬舎
2021/09/15

 著者は建設業出身のMBAホルダーです。コンサルを経て独立し、環境ビジネスを行っている様子。脱炭素×データドリブンは非常に刺さる―というか、私が正に実現しようとしている内容。これは読まない手は無いということで、脱炭素5冊目となります。私が担当している建設業経験者という所も好感。

 この本は問題提起として、素人目に序盤に出てくる疑問に答えようとしてくれています。「プロセス改善や電源見直しによる省エネは、もうやりつくしたのではないか」。「絞りつくした雑巾からは、更に省エネをする余地は少ないのではないか」。私もそういう発想が出ます。日本の優秀で細かくて真面目な製造業は、思いつく限りの打ち手は既に打ったのではないか? 脱炭素の目線は無くとも、製造業や運輸業にとって必須コストとなるエネルギー料金は、効率化を重ねてきたのではないか? そうではない可能性があると言います。私もそう思います。しっかりと可視化をし、さらなる効率化が出来る所はないか、着手していないところがないか探せる。実際に脱炭素を進めたというのなら、どこでどれだけ削減し、どれだけ未削減のカーボンがあり、本当に減らせないのか、減らす検討や努力をしたのか。やっていない。やるべきだ。私もそう思います。

 ただもう少し知りたいと思ったのは、実際にどういった指標を取るべきなのかという観点でのノウハウです。ESG会計など可視化をするのは良いのですが、データドリブンというからには、目的を定義し、KPIを定義し、その推移と比較から、データを読んで打ち手を検討する経営手法となります。やるべきだ―とか、こんな指標があるーとかは(それでも多少)記載があったのですが、やるべき論に終始していたように感じます。ちょっと最近体調良くなかったから、なんか読み飛ばしちゃったのかな? 具体的な指標定義の仕方や種類、その読み方なんかに入ってくれるともっと読みごたえがあると思いました。そこらへんはコンサルで提供する内容なのかな。。。ただ、これをちゃんと研究して具体化・実装すれば価値が出るのではないかと思っていた分野です。経営相談・ITと親和性がありそうだと再度実感できたので、自信をもってこの方針で検討を進めていきたいと思います。

 一度脱炭素は終わり。プレゼンやって事業化検討が進むようであれば、もっと研究進めていきたいと思います。E資格の勉強とデータリテラシーの習得に戻りたいと思います。

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