(~22/01/15)特許法70条 特許発明の技術的範囲
特許発明の技術的範囲(効力範囲)は、特許請求の範囲(クレーム)の記載に基づいて定まります。言いかえれば、発明の詳細な説明(明細書)や図面には記載されているが特許請求の範囲に記載されていない内容は、特許発明の技術的範囲に含まれません。例外として、均等の範囲である場合には、特許発明の技術的範囲に含まれると判断されます。
(論文試験対策1) 均等論
受験生が大好き(らしい)均等論が出てくる条文です。この均等論の5要件を満たす場合、均等の範囲にあると判断されます。均等論の要件は長いですが、私が知る範囲では、合格した受験生は正確に書いてきます。出題された場合、書けなければ不合格の可能性が高まりますので、覚えておきましょう。
(第1要件)その相違部分が特許発明の本質的部分ではないこと
(第2要件)その相違部分をその製品におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達成することができ、同じ作用効果を奏すること
(第3要件)その製品の製造時点において、当業者がそのような置き換えを容易に想到できたものであること
(第4要件)その製品が、特許発明の特許出願時点における公知技術と同一ではなく、また当業者がその公知技術から出願時に容易に推考できたものではないこと
(第5要件)その製品が発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たる等の特段の事情もないこと
これら5個の要件を満たした製品は、クレーム記載の内容と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に入るものといえます。
(論文試験対策2) 禁反言
拒絶理由通知に対応する補正により明細書等を限定した場合、限定により除かれた部分(技術的範囲)について、権利範囲内であると主張できない。
特に、拒絶理由通知に対応する際の意見書で、補正後の権利範囲には含まれないと解釈される主張をした場合、その「補正後の権利範囲には含まれない」部分は、権利範囲内であると主張することはできない。
・特許法70条
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